理想の結婚は、自分で500万稼いで、500万の年収の相手を探したほうがいい?

女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと
『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』
西原 理恵子
KADOKAWA
1,188円(税込)
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 よく言われる「女性としての幸せ」という言葉。これはいったいどういう意味なのでしょうか? 昔であれば多くの人が、そして今も一部の人が考えるのが「稼ぎのよい男性と結婚すること」かもしれません。

 けれど、一男一女のふたりの子どもを育て、漫画家としても売れっ子となった西原理恵子さんが本書『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』で繰り返し伝えるのは「王子様を待たないで。社長の奥さんになるより、社長になろう」「お寿司も指輪も自分で買おう」ということ。この本にはタイトルのとおり、西原さんが自身の人生を通して、そして娘を育てることを通して学んだ「女の子が幸せになるために身につけておくべき考え方」が詰まったエッセイです。また同時に、これは今の時代に娘を育てているすべてのお母さんたちに対する指南書でもあります。

 「はじめに 私が女の子だった頃」で西原さんは次のように書いています。

 「20歳までは、困れば誰か助けてくれるかもしれない。でもそこから先は、自分で道を切り開いていくしかない。若さや美貌は、あっという間に資産価値がゼロになってしまう。仕事のスキルや人としての優しさ、正しい経済観念。ゼロになる前にやっておかなければならないことはたくさんあります。自立するって簡単なことじゃないからね」(本書より)

 女性は男性にくらべ、ともすると若さや美貌が重要視されがちな風潮があります。けれど、それは年齢とともに目減りするもの。だからこそ、若いうちからひとりで稼ぎ、自立して生きることの重要性を西原さんは本書で繰り返し説きます。

 西原さんのやり手ぶりについては多くの人が知るところかと思いますが、彼女のことをあまり知らないという人も、本書を読めば彼女が何もないところからどれだけの努力と根性で今の場所まで来たのかわかることでしょう。それだけに、女の子が男性でしくじるとどうなるか、貧しいまま抜け出さないとどうなるか、自分を大切にせず我慢するとどうなるか......といったお話は、もう説得力抜群! そしてそうならないための、「負のスパイラルに堕ちないためのあの手、この手を考えておくって、だからとても大事なこと」「結婚か、仕事かだったら、どっちもとってください」「ダイヤモンドをくれる男より、一緒にリヤカーをひいてくれる男がいい」「よく理想の結婚相手は年収1000万とか聞くけど、自分で500万稼いで、500万の年収の人を探すのが正しいと思う」などの言葉がとても心に迫ります。まさに金言ですよね。

 今の時代でも、女性が自立して生きていくことはむずかしい部分もあります。自立するとは、誰かにたよらず、自分ひとりで生活できるだけのお金を稼いで、自由に生きていくということ。それを妨げる要因は社会にもありますが、女性たちみずからの考え方や親の教えも大きいように思います。

 たとえ稼ぎのよい男性と結婚したからといって、それで人生安泰という保証なんてどこにもありません。ある日突然、離婚を突きつけられたら? 相手が病気になって収入が絶たれたら? 可能性はじゅうぶんにあります。そのときに備えてどうすればよいか、女性は早いうちに知っておく必要があるし、娘を持つ親がそれを教えることは重要なことではないでしょうか。

 人生という荒波は男性もたいへんだけれど、女性もたいへん。結婚してもしなくても、皆一人ひとりが船を漕いで乗り越えていく必要がある。本書はそれを西原さん流に、痛いほど愛に満ちた文章で教えてくれる一冊となっています。

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