『水道橋博士のメルマ旬報』過去の傑作選シリーズ エムカク『明石家さんまヒストリー』明石家さんま1973年(17歳)、クラブ説明会で奮闘
芸人・水道橋博士が編集長を務める、たぶん日本最大のメールマガジン『水道橋博士のメルマ旬報』。
過去の傑作選企画として、エムカクさんによる連載『明石家さんまヒストリー』から、編集長の博士がとりわけ大好きな、さんまさん17歳クラブ説明会時のエピソードを、お届けします。
(編集担当/原カントくん)
以下、『水道橋博士のメルマ旬報』Vol26 (2013年11月25日発行)より一部抜粋〜
エムカク 「明石家さんまヒストリー」第6回より
■1973年(17歳)、クラブ説明会で奮闘
高校3年生になった高文は、毎年、春に行われる新入生に向けてのクラブ説明会に、サッカー部の副キャプテンとして参加することになった。クラブ説明会は、講堂に集まった新1年生に、各クラブの代表者が順番に演壇に立って行われる。
高文は「一番目に紹介させて欲しい」と願い出た。どのクラブの代表者も紹介文が書かれた紙を持っているが、高文は何も持たずに壇上に上がった。新入生は静かに壇上を見上げていた。
「えぇ〜、サッカー部の杉本です。我がクラブは......」高文は得意の漫談口調で冗談混じりにクラブ紹介を始めた。静まり返っていた新入生の間からクスクスと笑い声が漏れてくる。紹介を終えると、高文は大きな拍手を浴びながら、壇上を降りた。
すると、二番手のバスケット部のキャプテンが高文に駆け寄った。
「杉本、バスケット部の紹介もやってくれへんか? たのむわ」
「おぉ、ええよ」高文は二つ返事で再び壇上に上がり、先程と口調を変えて紹介を始めた。
「えぇ〜、バスケット部の杉本です。このバスケットボールに君の青春をかけてみないか!」新入生は大声で笑いだした。「ご清聴ありがとうございました〜!」紹介を終えると高文は足早に壇上を降りる。
すると今度は、「俺とこもたのむわぁ」と、三番手のテニス部のキャプテンが頼んできた。
「よっしゃ、まかしとけ」三度目は、高文が演壇に立つだけで新入生は爆笑した。
「次は? 放送部? よっしゃ、まかしとけ!」
結局、高文は21のクラブ、すべての紹介を担当。新入生は笑い疲れていた。
親友・峠尚幸さんの証言
「ほんとうに、友だちの頼みは絶対に断らん男でしたよ。ぼくたちの高校って、入学時には新入生のためのクラブ紹介があるんです。(中略)誰だって、そんなの恥ずかしくて、めんどうくさいし、いやなんですよね。それで杉本に頼むと、わかった。オレがやってやるって引き受けるんです。
アイツ、そんな調子で、21ものクラブの紹介を引き受けてしまったんです。
いやあ、あれはいまでも語りぐさになってますが、(中略)これには新入生たちもアゼンとした表情で、最後にはポカ〜ンとしてたらしいですよ」
※『女性セブン』1985年5月2日号より
「あれがねぇ、俺の人生で一番ウケたの。一年生が全員揃う時に、キャプテンがクラブ紹介、"うちのクラブに入ってください"って勧誘すんのを、みんな出るのが恥ずかしいから、"杉本、杉本"言うて。もうねぇ、3つ目のクラブから出るだけで大爆笑になるの。これはウケたの。
"サッカー部の杉本です。うちのクラブはこうこうで"とか説明して、次、バーって出て行って、"俺は〜相撲部の杉本じゃ〜"とか言うたら、ドッカーン、ウケんの。その次、メガネ借りて、"そろばん部の杉本です、よろしくお願いします"言うて。それを20何個。もうあの笑い声が今でも忘れられない」
※『さんまのスーパーからくりTV』2013年5月19日より
「一番すごいのがクラブ紹介、21のクラブに、"そろばん部の杉本です"とか言うて出て行って、21個出たんですよ。"タイプ部の杉本です"とか言うて、口調全部変えていって、大爆笑したんですから。あれが一番ウケてましたねぇ、人生の中で」
※『メレンゲの気持ち』2002年3月30日より
『水道橋博士のメルマ旬報』
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