訪日外国人観光客に人気の"意外なスポット"とは?

ようこそ、日本人の知らない日本へ (リンダパブリッシャーズの本)
『ようこそ、日本人の知らない日本へ (リンダパブリッシャーズの本)』
春名 久史
泰文堂
4,270円(税込)
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「日本を訪れた中国人観光客に、『日本はどうだった?』と尋ねると、『日本はどこに行っても中国人ばっかりでつまらなかった』という答えが返ってきます」

 書籍『ようこそ、日本人の知らない日本へ』のなかで、こう綴るのは、日本へ観光に訪れた外国人ツアー客たちの通訳ガイドをしている春名久史さん。
 
 これまで日本を訪れる人の数がもっとも多かった国は韓国、続いて台湾、中国の順でしたが、2015年に入って状況は激変。上半期だけで前年に比べると倍以上の中国人が日本を訪れたため、韓国や台湾を抜き、その数は中国が一気にトップへと躍り出ました。

 中国人観光客たちは爆買いするために、家電量販店やデパート、アウトレット・モールへ。そして東京や京都などの定番の観光地のみならず、マイナーなスポットにも続々と押し寄せているといいます。

 同書では、春名さんがガイド中に遭遇したハプニングや、カルチャーショックを受けたエピソードの数々、外国人たちが日本についてどのように思っているのかという実際の声を紹介。さらには外国人観光客に人気の、意外なスポットも紹介されていきます。

 なぜか外国人に人気のあるスポット、早速いくつか見てみましょう。

 まずは"防災センター"。市民の防災知識と活動能力を高めることを目的として、各自治体に設立された施設ですが、大人になってからはなかなか訪れる機会もありません。
しかしこの防災センター、密かに訪日外国人の注目を集めており、実際、春名さんもツアーガイドとして何度も訪れているそう。

 各防災センターでは多様な体験プログラムが用意されており、強風体験コーナーや水害体験コーナー、煙中避難体験コーナーなど、シリアスなシチュエーションを疑似体験できるところもあるとか。なかでも人気なのは、地震体験コーナー。人工地震発生装置によって、参加者は阪神淡路大震災や東日本大震災といった過去に起こった地震の揺れを体験することができるのだといいます。
 続いて、大阪の街中を歩いていると、空気を注入した袋に入れたカップラーメンを持ち歩いている人たちをよく見かけますが、このカップラーメン、ただのカップラーメンではなく、スープとトッピングを自分で選んで作るマイカップラーメン。このマイカップラーメンを作ることのできる"インスタントラーメン発明記念館"も外国人観光客に人気のスポット。訪れると、みな楽しそうにマイカップラーメンを作成するそうです。

 またカプセル・ホテルは外国の旅行雑誌にも頻繁に取り上げられており、まるで宇宙船のようだと感激する方も多いとのこと。さらに、可愛くてオシャレだと女性に人気なのがラブホテル。外国人のお客さんたちは、ラブホテルとは呼ばずに2時間ホテルという言い方をするそう。日本中いたるところに存在するラブホテルの多さに驚いているそうです。

 外国人観光客たちの目に、日本はどのように映っているのか。同書で紹介される外国人だからこそ見える視点の数々に、気付かされることも多いはずです。

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