毎日のドライヤーで難聴になる可能性があるってホント!?

耳がよく聞こえる! ようになる本:自分で聴力を回復する正しい方法
『耳がよく聞こえる! ようになる本:自分で聴力を回復する正しい方法』
中川雅文
河出書房新社
1,404円(税込)
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 毎日1時間以上、ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴いてはいないでしょうか。聴力にダメージを与えてしまう可能性のある危険な音は、85デシベル以上と言われていますが、静かな室内以外でヘッドホンやイヤホンを使って音楽を聴く際には、まわりの騒音(電車内の騒音や街中の喧噪は70〜90デジベル程度)より20デシベルほど大きい音が必要に。そのため、軽く85デジベルを超える大音量で聴いている状態となります。

「騒音になるリスクの大きさは、『音の大きさ』×『音にさらされた時間』で決まります。たとえば、ヘッドホンなどで、大きめの音量の音楽を楽しんでいると、1日1時間でも1年足らずで難聴になってしまいますし、片道2時間の電車通勤なら、定年をまたずに耳の不調が気になり始めるでしょう」(本書より)

 近年急速に増えつつあるヘッドホン難聴、イヤホン難聴、スマホ難聴と呼ばれる騒音性難聴。難聴のレベルは、「ひそひそ話も聞き取れる」「大勢の人がいる部屋のなかでも会話が聞き取れる」という"正常"から、「聞き返すことが多い」「大勢の人がいる部屋での会話が聞き取りにくい」という"軽度難聴"、「テレビの音が大きいと家族に言われる」「普通の大きさの声の会話が聞き取りにくかったり、聞き間違いが多い」という"中等度難聴"、「大きな声でも聞き取りにくい」「耳元で大きな声で話してもらうと聞こえる」という"高度難聴"、「耳元の大きな声も聞こえない」の"重度難聴"に大きく分けられるそうですが、早期発見の手がかりのひとつとして覚えておきたいのは、サ行、カ行、タ行がしっかりと聞き取れているか否か。

 聴力が衰えていくと、高い音から聞き取りにくくなるものですが、日本語は低い周波数帯を使用する言語であるため、高い音が聞き取りづらくなってもすぐには困らないそう。しかし、サ行、カ行、タ行は日本語のなかでも比較的周波数が高いため、難聴の進行とともに聞き間違いが生じやすくなるのだといいます。

 たとえば、おかし(菓子)→おはし(箸)、さとう(佐藤)さん→かとう(加藤)さんといった聞き間違いが増えてきたら注意が必要です。

 騒音性難聴は、85デシベル以上の騒音を長時間聞く習慣を続けていると、内耳の蝸牛のなかの有毛細胞が障害を受け、その一部が回復不可能になるために起こるもの。一度アポトーシス(細胞の自殺)すると二度と有毛細胞は再生されないため、ノイズキャンセル機能付きのヘッドホンやイヤホンを利用するなどして、耳を守るようにしましょう。

 またヘッドホンやイヤホンのみならず、意外にも気をつけたいのはドライヤー。ドライヤーの音は、ターボモードではロック系のコンサート会場と同様の110デジベル。そのため、ドライヤーを何十年もの間ほぼ毎日10分以上使用しているならば、いつ突発性の難聴になっても不思議はないといいます。

 本書『耳がよく聞こえる!ようになる本』には、難聴の予防方法や改善方法なども詳しく記載されていますので、少しでも耳に不安のある方は参考にされてみてはいかがでしょうか。

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