前園真聖、R・フェデラーも実践!  話題の『心がラクになる言い方』著者に聞く"上手な怒り方"

イライラをコントロールする! 心がラクになる言い方
『イライラをコントロールする! 心がラクになる言い方』
安藤俊介
朝日新聞出版
1,080円(税込)
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 かの徳川家康は、「怒りは敵と思え」との言葉を残したそうです。この言葉の意味は、怒りは必ず相手の怒りや恨みを招き、結局は自分の身を滅ぼすことになるというもの。幼少期は今川家の人質として育ち、その後も織田信長、豊臣秀吉の下で耐えに耐えた末に天下を獲った、家康ならではの格言といえるのではないでしょうか。

 怒りという負の感情は誰しもが抱きたくないのも。とはいえ、我々の日常生活の中では、我慢できない怒りもたくさんあります。それは、職場で感じるストレスが原因であったり、家庭内の問題が発端であったりと、現代社会で怒りの感情を抑えこむというのは、なかなか難しいものです。

「いえ、無理して怒りを抑えこむ必要はありません。ただ、イラッとしたことをその原因となった相手に、上手に伝える。それなら相手も自分も傷つきませんよ」

 そう話すのは、日本アンガーマネジメント協会代表理事で書籍『イライラをコントロールする! 心がラクになる言い方』を上梓したばかりの安藤俊介さん。安藤さんは企業やプロスポーツチームなどに"怒りをマネジメント"する技術を伝える活動を行っており、今、テレビや雑誌などで注目を集めています。

 今回は、そんな安藤さんに直撃。なかなか怒りをコントロールできない人、うまく人とのコミュニケーションを図れない人、必見の内容です!

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――怒りをコントロールするって誰にでもできるんでしょうか。そもそも、怒らないようにするってすごく難しいことだと思うのですが......。

 アンガーマネジメントは怒らなくなることが目的ではないんです。怒らないといけないときと、怒らなくて済むときの「線引き」が出来るということがなにより大切なんですね。多くの方は怒ることはよくないことだと思われるんですが、生きていると怒らなければいけないことはたくさんあります。要は、その怒りの感情をただ相手にぶつけるのではなく、どういうことを思っているのかを相手に冷静に伝えることが、コミュニケーションを円滑にする上では重要だと考えています。

――なるほど。実際に安藤さんの講座を聞かれる人は、どのような方が多いですか?
 
 企業研修もやっていますが、ご家族の問題でくる方が多いですね。はじめは仕事に活かせるかなと思って受けにきたところ、これは家庭の問題にも流用できるぞということで、まずは夫や妻など家族に受けさせたいと思われる方がたくさんいらっしゃいます。
ところが自分がやってみると、(パートナーに受けさせる前に)自分自身が変わる。それでパートナーとの関係も良好になるということもよくあります。


――アンガーマネジメントは、元サッカー日本代表の前園真聖さんが受講したことでも注目されています。

 そうですね。現在、前園さんはサッカースクールを開かれていますので、その中でアンガーマネジメントを使われていると思います。また、最近はテレビでも大活躍されていますが、あの世界はいろいろな場面で感情をコントロールする必要があります。その中で、上手にアンガーマネジメントを使われているのかなと思っています。

――現役のアスリートも、もっとアンガーマネジメントを取り入れた方がいいとお考えですか?
 
 はい。スポーツには闘争心が不可欠。それはいいのですが、熱くなりすぎるのも良くないんです。たとえばゴルフの場合、必要以上にアドレナリンが分泌された状態でスイングすると、飛距離が出すぎてしまいます。正確な位置にボールを飛ばすのがゴルフというスポーツですから、これではいけませんよね。アンガーマネジメントで自分を上手にコントロールすることは、パフォーマンスの向上につながるのです。

――スポーツ選手のアンガーマネジメント活用例を教えてください。
 
 アンガーマネジメントを取り入れ最も成功したのは、テニスのロジャー・フェデラー選手でしょう。フェデラー選手は10代の頃から技術的に高い評価を得ていたにもかかわらず、なかなかメジャー大会で勝つことができませんでした。「メンタルが技術に追いついていない」と言われたこともあったそうです。そこで96〜97年頃、アンガーマネジメントをメンタルトレーニングに取り入れ、2004年には世界ランク1位に輝きました。

――本書『心がラクになる言い方』では、自分も相手も傷つかない言い換えの事例が数多く掲載されています。ただ、その言い換えがすぐ浮かばない場合は、どのようにすればよいのでしょう?
 
 一番やってはいけないのは「反射」。イラッとする言葉をかけられて反射的に返答してしまうと、人間関係の悪化にもなり得ます。だから、反射にならないよう、言葉を出すのをちょっと待ってほしいのす。深呼吸するとか、"怒り度"を10点満点で点数化してみるとか......反射だけはしないよう、気をつけてみてください。

――なるほど。それでは、最後に本書のご紹介をお願いします。
 
「アンガーマネジメント」と聞いて、多くの人は怒ってはいけないと思い込んでると感じます。でも、怒ること自体が悪いのではありません。アンガーマネジメントによって、怒らなければいけないことは上手に怒り、怒らなくていいことは怒らないで済むようになる。本の中では、どう言えば上手に怒っているという気持ちを相手に伝えられるかが書いてありますので、ご一読いただければ幸いです。


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