「敷居が高い」の正しい使い方、ご存知ですか?

仕事で恥をかかない日本語の常識 (日経文庫)
『仕事で恥をかかない日本語の常識 (日経文庫)』
日本経済新聞出版社
1,080円(税込)
商品を購入する
>> Amazon.co.jp
>> HonyaClub.com
>> エルパカBOOKS

【嵩む、吝か、漸く、件の、誂える、蟠る、頷く】――これらの言葉、正しく読むことができるでしょうか。正解は、順に、【かさむ、やぶさか、ようやく、くだんの、あつらえる、わだかまる、うなずく】。会話のなかでは比較的、頻繁に使う言葉であっても、文字として出てくると、正確に読めなかったという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 間違って覚えてしまっている漢字の読み方や言い回しというものは厄介なもの。そのため、本人は間違っていることに気付いておらず、指摘した方が良いものか迷っているときに限って、相手は何度もその言葉を繰り返す......といった気まずい経験をお持ちの方も多いのでは? そんな気まずい思いを相手にさせないためにも、日本語の正しい表現や読み方は是非ともおさえておきたいところ。

 本書『仕事で恥をかかない日本語の常識』では、読み間違えやすい漢字はもちろん、書き間違えやすい漢字・熟語、誤用しがちな四字熟語や慣用句、注意すべき敬語の使い方など、ビジネスシーンに即した例文とともに日本語の常識が解説されていきます。

 本書にて紹介される、慣用句の誤用。適切に会話のなかで使いこなすことができれば表現も豊かになる慣用句ですが、誤った使い方をしてしまうと逆効果に。

 たとえば、「ごちそうさまでした。板さん、おあいそを」といったように、お店の人に勘定がいくらかを尋ねるときに使いがちな「おあいそ」という言葉は、本来客側から言う言葉ではないといいます。

「『おあいそ』とは『ぶしつけにお勘定などお願いしまして、さぞ愛想づかしのことでしょうが...』という意味を含んだ言葉で、勘定を請求する店の側の言葉です。客のほうから『おあいそ』と言うのは本来奇妙なことで、『お勘定』と言えばよいのです」(本書より)

 続いて、「あの家は格式も高く、私のような者は敷居が高くて訪ねて行きにくい」といったように、相手の家の格式が高くて行きづらい場合などにも用いがちな「敷居が高い」という言葉。しかし、これもまた間違った使い方なのだそうです。

「『敷居が高い』とは、そもそもは義理を欠いたり、迷惑をかけたりしたために、その人の家に行きづらくなること。相手の家の格式が高くて行きづらい場合に、『敷居が高くて』は本来は使いません」(本書より)

 身につけておきたい日本語の常識。普段使用しているその言葉、果たして正しく使いこなせているのか、本書にて確認してみてはいかがでしょうか。

« 前のページ | 次のページ »

BOOK STANDプレミアム