大ヒットメーカーが明かす、行列のできるお化け屋敷の秘密

お化け屋敷になぜ人は並ぶのか  「恐怖」で集客するビジネスの企画発想 (oneテーマ21)
『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか 「恐怖」で集客するビジネスの企画発想 (oneテーマ21)』
五味 弘文
角川書店(角川グループパブリッシング)
782円(税込)
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 連日、酷暑が続いておりますが、ヒンヤリできる夏の定番スポットと言えばお化け屋敷。東京都文京区の「東京ドームシティ アトラクションズ」では、9月15日までの期間限定でお化け屋敷「恐怖のかくれんぼ屋敷」を開催、連日60分待ちの大行列となっているのだとか。

 そんなお化け屋敷の仕掛け人が、本書『お化け屋敷になぜ人は並ぶのか』著者の"お化け屋敷プロデューサー"の五味弘文さんです。「東京ドームシティ アトラクションズ」がまだ「後楽園ゆうえんち」だった1990年代からお化け屋敷を演出し、プロデューサーとして全国を飛び回る傍ら、これまでにも『人はなぜ恐怖するのか?』(メディアファクトリー刊)や、ホラー小説『憑き歯〜密七号の家〜』(幻冬舎刊)も執筆されています。

 五味さんがプロデューサーへの道を歩む契機となったのが、1992年の「麿赤兒のパノラマ怪奇館」でした。全裸に白塗りで演じる「暗黒舞踏」の流れを汲む舞踏家・麿赤兒(まろ・あかじ)さんを演出に迎えるという企画で、麿さん率いる舞踏集団・大駱駝艦(だいらくだかん)のダンサーがお化けを演じました。暗闇の中で白塗りのダンサーが蠢く仕掛けはリアルに恐ろしく、子供だましではない本物のスリルを求める人々が押し寄せ、大人気となりました。

 五味さんプロデュースのお化け屋敷が大人気の理由として、従来のお化け屋敷にはなかった「ストーリー」と「役割」を導入したことがあげられるでしょう。例えば、1996年の『パノラマ怪奇館〜赤ん坊地獄』では、入場者がソフトビニール製の赤ん坊の人形を抱いて、襲ってくるお化けから赤ん坊を守りつつ歩く。2006年『恐怖の黒髪屋敷』では、入口で渡されたクシで幽霊の長い黒髪を梳かさないと、順路の扉が開かない。「恐怖のかくれんぼ屋敷」では、押し入れに隠れた子供を見つけるために、襖を引き開けて進む。といったミッションが与えられています。入場者自身が、ストーリーの登場人物となって、参加型で恐怖を楽しんでもらうというスタイルなのです。

 また従来、行列に並ぶ時間は退屈なものでしかありませんでした。そこで始めたのが、お化け屋敷内部の悲鳴をマイクで拾い、並んでいるお客さんに聞かせるという演出です。待つ時間に比例して、不安感や恐怖感が高まって行く効果があります。入場前の並んでいるときから、既にお化け屋敷は始まっているというわけです。

「恐怖のかくれんぼ屋敷」では、お化け屋敷内部に設置した暗視カメラの映像を、WEB上で24時間配信する「お化け屋敷24時間ライブカメラ ゴーストカム」という仕掛けもあります。深夜、誰もいないはずのお化け屋敷に、いるはずのないものが映っていたりしたら...あなたは1人で見る勇気がありますか?

【関連リンク】
「東京ドームシティ アトラクションズ」夏期限定お化け屋敷「恐怖のかくれんぼ屋敷」
2014年7月18日(金)~9月15日(月・祝)
http://kakurenbo.info/

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