母の日に読みたい「出産の現実」を伝えるマンガ

コウノドリ(4) (モーニングKC)
『コウノドリ(4) (モーニングKC)』
鈴ノ木 ユウ
講談社
607円(税込)
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 現在、少年コミック誌『モーニング』で連載中の『コウノドリ』は、産婦人科医でジャズピアニストの鴻鳥(こうのとり)サクラが主人公の本格的医療マンガ。妊娠、出産、中絶など妊婦が直面する「厳しい現実」を、生々しく描いている作品として、大いに話題となっています。

 作者の鈴ノ木ユウさんが同作を書き始めたきっかけは奥さんの妊娠、出産。今から5年前、漫画家として駆け出しの頃、まだ結婚していなかった現在の奥さんが妊娠し、一旦、筆を置いてバイトを2つ掛け持ちする生活に。しかし、バイトで食いつなぐ生活を続けるのも限界があると判断、本格的にマンガを描くことを決意します。そこで、奥さんが出産時にお世話になった産婦人科医兼ジャズピアニストをモデルに作品を描こうという話になり、生まれたのが本作『コウノドリ』です。

 そんな鈴ノ木さんが、ミキハウス『出産準備サイト』内のインタビューで、奥さんの出産に立ち会った時のエピソードを披露しています。

「(前略)出産に立ち会ったときに「奇跡」という言葉が自然に出てきたんです。きっと出産って、たとえ障害がある子が生まれたとしても、出産自体が奇跡なのかなと。奇跡という言葉を口に出すと嘘っぽい感じがするけれど、出産に関してはそれでいいと思います」

 同作品を通じて鈴ノ木さんは、この世に生を受けることの意味、尊さを伝えると同時に、出産の厳しさを読者に訴えかけます。

「自分の奥さんの出産が無事に終わって、『よかったね』という人が全体の9割だとしたら、1割はそうでない思いをしているということ。数は少ないかもしれないけれど、知らないでいいことではないと思うし、それを描くことに何か意味があるんじゃないかと。『よかったね』という出産にならなかった場合も、自分の子どもは『かわいいな』と思ってくれたらいい。結局すべての子の誕生は『おめでとう』だから」

 今日、5月11日は「母の日」―――日頃の母の苦労をねぎらい、母への感謝を表す日です。素敵なプレゼントを送ってみたり、態度で表したり、家事を手伝ってみたり......いろいろと感謝の気持ちを伝える方法はあると思います。ただ、その際に、シンプルに一言"生んでくれてありがとう"の言葉も添えてみてください。


【関連リンク】
ミキハウス「出産準備サイト」
『コウノドリ』作者・鈴之木ユウさんインタビュー
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-1290.html

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