この世は左利きに厳しすぎる?

左利きの人々 (中経の文庫)
『左利きの人々 (中経の文庫)』
渡瀬 けん
中経出版
545円(税込)
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 あなたの周りには左利きの人がどれくらいいますか?

 一般的には左利きは人類全体の約10%だと言われています。確かに小学生や中学生の頃、30人クラスのうちだいたい2、3人が左利きだったような記憶が......。実際に数も少ないことから、左利きの人間は右利きの人間とは少し違う存在として認識されることも多いと思います。また、「左利きは天才か変人に分かれる」「左利きは短命」というような俗説もあるほど謎は多き存在で、最もメジャーなマイノリティといえるのではないでしょうか。

 わかっているようでわかっていない左利きの人々の実態。メールマガジン「レフティサーブ」で左利きのコラムを執筆し、自身も左利きである渡瀬けん氏が本書『左利きの人々』で、知られざる左利きの実態を暴いています。

 例えば「ハンコ」。ハンコを押す場所は決まって右側にあります。そのため、押す位置が左手で隠れて見えないので左利きの人間はハンコを押すことが苦手なのです。日本食の代表「寿司」にも実は利き手が関係しています。桶の中に美しく並べられたにぎり寿司は左斜め上を向いており、右利きの人間が食べやすいように並べられているのです。

 現在では左利き用のはさみなど、左手用の製品が発売されていますが、ここまでかというほど右手重視の商品があります。それが「カメラ」です。カメラのシャッターは右側に付いているので左指ではもはや押せない位置にあります。左利きであろうと右手で撮るしかないのです。「ビデオカメラ」に至ってはもっと露骨です。まずビデオカメラには手を固定するベルトが付いていますが、それは右手専用。右手で構えて、右手でスタート/ストップボタンを押し、ズームも右手で操作する。更に左側には液晶モニターが付いており、右手で持つしかないです。

 まだまだあります。左利きの人間はおしゃれや友達と遊ぶ時も不都合があるのです。例えばズボンやスカートのチャック。チャックを隠す部分は左側が上になっているので左手だと扱いにくいのです。トランプで遊ぶ時も左利きの人間は一苦労。ババ抜きをする時、右利きの人間は左手にカードを持って右手で引きます。左利きの人間はその逆で、右手にカードを持って左手で引きます。その時手持ちのカードは見やすいように扇形に広げることでしょう。すると不思議なことに右手でカードを持つ左利きの人間のカードには数字が見えません。なぜならトランプの絵柄は左手で持った時に見やすいデザイン、つまり右利き用に作られているのです。

 このような左利きの苦悩を右利きの人間は知りません。知る由もありません。いかにこの世界が"右利きの世界"であるかに気付いていないのです。本書を読めば楽しく左利きの人々の実態について学ぶことができます。読み終えたらすぐに左利きの友達に会いたくなることでしょう。

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