むかしむかし、チョコレートは飲み物だった! しかも辛かった!?

チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)
『チョコレートの世界史―近代ヨーロッパが磨き上げた褐色の宝石 (中公新書)』
武田 尚子
中央公論新社
842円(税込)
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 普段から何げなく口にしているチョコレート。その本場といえば、ヨーロッパのイメージが強いかもしれませんが、チョコレートを発明したのは誰かご存知ですか?

 実は、チョコレートの歴史は中米(メソアメリカ)、現在のメキシコ、グアテマラ周辺からスタートします。メソアメリカはカカオの原産地。そして、オルメカやマヤ、トルテカ、アステカといった古代文明が輝きを放った場所でもあります。もともと自生していたカカオを栽培化し、チョコレートを発明したのはマヤ族の遠い祖先。紀元前1世紀頃には、すでに「カカオ」という言葉も生まれていたようです。

 そのチョコレート、今は固形物が常識ですが、かつてはチョコレートといえば「飲み物」でした。固形の食べ物になったのは、実はほんの170年ほど前。メソアメリカ時代はもとより、ヨーロッパに伝わってからしばらくも、チョコレートは飲み物だったそうです。当時のチョコレートは、「カカワトル(カカオの水)」と呼ばれ、カカオ豆を乾燥させたものを石臼で挽いて水を加え、泡立てたもの。とろみがつくようにトウモロコシの粉も加えられていたので、どろっとしていたのだとか。しかも、甘いどころか、なんと辛かった! メソアメリカの人々は、唐辛子やチリなどのスパイスをたっぷり加えて飲んでいたので、私たちが思い浮かべるココアのような飲み物ともほど遠い代物でした。

 そんなチョコレートのまだまだ知られていない意外な事実がたくさんあることを教えてくれるのが、書籍『チョコレートの世界史』。同書を読むと、カカオがもともと「神々への供物」だったことや「貨幣」として使われていた時代があったこと。また「薬」として飲まれていたことや、会社組織の福利厚生システムが誕生する経緯にもチョコレートが関係あることなどを知ることができます。

 そんな興味深いチョコレートにまつわるコンテンツを毎週配信するチョコレート専門チャンネルが4月14日に開局しました。これは、来年チョコレート事業50周年を迎えるロッテがYou Tubeに開局した「Choco-motion TV」。著名人や文化人らとともにロッテのチョコレートにまつわる楽しい映像をこれから1年間、毎週届けるそうです。ロッテといえば、ガーナミルクチョコレートをはじめ、パイの実、コアラのマーチ、ビックリマンチョコなど、チョコレート好きには見逃せないアイテムが豊富。今後、どんなオリジナルムービーがアップされるか楽しみです。

【関連リンク】
「LOTTE EVERYDAY,Choco-motion!」
http://www.lotte.co.jp/entertainment/campaign/choco_motion/

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