「定番以上、秘境未満」旅の専門家がおすすめするプチ秘境とは?

めざせプチ秘境!     行こうと思えば案外行けちゃう地球旅行
『めざせプチ秘境! 行こうと思えば案外行けちゃう地球旅行』
吉田 友和
角川書店(角川グループパブリッシング)
1,620円(税込)
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 春休み真っ只中の大学生のみならず、来月下旬からGWがはじまるので、社会人も徐々に旅行気分があがっているのではないでしょうか。

 最近の旅行のスタイルとしては、一人旅が注目されているようです。ハワイ、台湾、タイが人気のようですが、ヒマラヤやマチュピチュ、ガラパゴス諸島、ピピ島といった秘境を、旅行先に希望する声も少なくないとか。

 これまでおよそ80か国を訪問し、妻の松岡絵里さんと共にまとめた世界一周旅行ガイド『してみたい!世界一周』が人気の旅人・吉田友和さん。著書の『めざせプチ秘境』のなかで、「秘境」について独自の見解を述べています。そもそも、「"秘境"とは、なんだか言いすぎではないか」というものです。

 「ただ単に我々からしたら馴染みがないだけだ。実際に行ってみると、そこには普通に暮らしている人たちがいて、普通に経済活動が営まれている。電気はあるし、テレビは映るし、携帯は繋がる。夢も浪曼も打ち砕くような発言かもしれないが、"秘境"などと呼ぶのはどこか烏滸がましさが付きまとうのだ」

 人が住めないような大自然や、外国人の訪問が許可されないジャングルの奥地への旅は、秘境に近いものと認めながらも、多くの旅を経験したからこそ芽生える価値観を、同書のなかで紹介しています。確かに、辺鄙な場所であっても多くの場合、簡単にアクセスできる時代となってしまいました。本当の秘境という場所は、もう数が限られているのかもしれません。テクノロジーの進化もあり、パソコンで簡単に秘境を体験できるのも、秘境減を手伝っています。

 「プチ秘境」。吉田さんは、本当の秘境にはなかなか行けないため、それなりにこだわりが感じられる旅先のことをこう呼んでいます。

 「"遠くへ来たなぁ"としみじみ実感できるような旅。定番以上、秘境未満とでも言えばよいだろうか。(略)いずれにしろ、自分の知的好奇心を満たしてくれる、キラリと光り輝くものがあるところである」

 数が少なくなってきた秘境ですが、プチ秘境だと選択肢がぐっと増えます。人によって捉え方も違いますし、なんだか楽しそうな響きでもあります。この春は、ちょっとそこまで「プチ秘境」を探しに行ってみませんか?

 ちなみ同書で吉田さんが取り上げている「プチ秘境」は、モロッコ、イスラエル、パナマ、マダガスカル、スリランカといった土地です。どこも一度は行ってみたい場所ですね。

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