「いつやるか? 今でしょう!」の誕生秘話

いつやるか? 今でしょ!
『いつやるか? 今でしょ!』
林 修
宝島社
1,296円(税込)
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 早くも流行語の最有力候補でしょうか。「いつやるか?」と問われれば、つい、「今でしょ!」と言いたくなる、東進ハイスクールカリスマ講師・林修先生の言葉。そもそも、何故、このような言葉が生まれたのでしょうか。誰もが気になる誕生秘話について、林先生は、書籍『いつやるか? 今でしょ! 』のなかで明かしています。

 予備校講師は、基本的には「わかりやすい授業」を目指すもの。若い頃の林先生にとっても、それは当然のことでした。そんなある日、林先生が部屋で見つけた1枚の紙切れには、こんな言葉が残されていました。

 「かのギリシア・ローマの昔、キケロが演説を終わったとき、民衆は『なんと雄弁だろう!』と感服した。しかし、デモステネスの演説が終わると今度は、口々に叫んだ『さあ、行進しよう!』」

 生徒にとってわかりやすい授業はできているが、どこか現状に納得できていなかった林先生に、この言葉は大変響いたそうです。

 「今の僕は、生徒を単に『感服』させるだけでなく、『行進』させることができているのだろうか?」

 予備校の授業時間よりも長い受験生の日常時間に、彼らが「勉強しよう!」という思いをかき立てることこそが、予備校講師の本来の役目ではないかと考えるようになったのです。林先生は、これまで以上に授業の準備と工夫を重ねました。それと同時に、生徒が日常に飛び出したくなるような言葉を発信し続けたのです。

 ポジティブな言葉を大切にするようになった林先生にとっては、あの流行の言葉は、特に狙ったものではありません。毎日生徒に向かって発信し続けていた言葉の一つに過ぎず、偶然あの一言だけがブームとなったのです。ですから、いつ、どこで発したかは覚えていないようです。

 「いつやるか、今でしょう!」

 この言葉には、「今、何をやるべきかがわかったでしょう? なら、いつ走り出すの? 今しかないでしょう?」といった、林先生の思いが凝縮されているのです。

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