「大工と話すときは。大工の言葉を使え」 コミュニケーション成立の鍵は「受け手」?

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上田 惇生
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 ビジネスの世界では、会話が必要不可欠。プレゼンやふとした会話がきっかけで、契約にこぎつけることもありますし、会話なくしては、上司と部下は良好な関係を築くことができません。

 ただ、上司・部下間、先輩・後輩間の会話がうまくいかなくて悩んでいる人も多いことでしょう。そこで、心にとどめておきたい教えがあります。仕事上でのコミュニケーション、成立のカギは「受け手」にあるということです。

 「コミュニケーションとは情報の伝達や交換ではなく、受け手に何をして欲しいかの要求である。コミュニケーションは人を動かす手段だ」これは、ドラッガーの考えです。

 上司(先輩)が部下(後輩)に対して、頭ごなしに指示をしていても、なかなか部下(後輩)は受け入れることができません。この場合、上司(先輩)に必要なことは、部下(後輩)、つまり「受け手」が期待していること、関心を持っていることは何なのかを探り、「受け手」が理解できる言葉で伝えることなのです。

 ソクラテスは「大工と話すときは。大工の言葉を使え」と有名な言葉を残していますが、上司も同じで、部下のわかる言葉で伝えなればいけません。

 つまり、受け手の経験に基づいた言葉を使わないと、部下(後輩)にはなかなか伝わらないのです。なかには、自分に追いつけという意味で何も言わない人もいるでしょう。しかし、効率的に育てようと考えるのであれば、頭の隅っこに、「コミュニケーション、成立のカギは"受け手"にある」という考えを置いておき、バランス良く指導してみてはいかがでしょうか。

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