エアーバンド『ゴールデンボンバー』のルーツはアメリカにあり!?

レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)
『レッキング・クルーのいい仕事 (P-Vine Books)』
ケント・ハートマン
スペースシャワーネットワーク
3,024円(税込)
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 昨年の紅白歌合戦にも出演し、若い世代を中心に人気急上昇中のヴィジュアル系エアーバンド『ゴールデンボンバー』。彼らが1月1日にリリースした新曲『Dance My Generation』が、オリコンランキングにて、インディーズアーティストとして史上初の、初登場1位を獲得する快挙を達成! そして発売日から約1ヶ月経とうとしている2月16日付のデイリーランキングでも16位をキープしており、近年稀にみるロングヒットを記録しています。

 そんな彼らはバンドでありながら自分たちが演奏せず、ライブもエアー演奏という独自のスタイル。どの音源も必ず本人たちではない"プロの演奏家"によってレコーディングされており、サウンドは本格派のヴィジュアル系ロック! しかし、本人たちが演奏していないという事実に衝撃を受けた人は多いのではないでしょうか。

 実はこうした "影武者"の存在は昔からあったこと。書籍『レッキング・クルーのいい仕事』では、世界的に大ヒットしたバンドの名曲も実は"影武者"たちが演奏していたという事実が書かれています。

 日本でもテレビ番組『ザ・モンキーズ・ショー』で人気が高かったアメリカのバンド、ザ・モンキーズ。イギリスから上陸しアメリカで爆発的ヒットを飛ばしたザ・ビートルズに対抗する形で生まれた同グループは、オーディションで結成されたアイドル・ロックバンドでした。しかし、ルックスを重視したこともあって演奏力には乏しい面が...

 そんなとき、彼らの"影武者"となってレコーディングをしていたのが、アメリカの実力派ミュージシャン集団『レッキング・クルー』! 『レッキング・クルー』は他にもビーチボーイズやザ・バーズといったアメリカを代表するバンドのレコーディングでも演奏。優秀な演奏部隊として陰からアメリカのポピュラーミュージック界を支え続けてきたのです。

 影の立役者として謎のベールに包まれ、また一部ではその存在を語ることがタブーともされてきた『レッキング・クルー』。本書では彼らの職人的仕事ぶりを包み隠さず紹介しており、門外不出とされてきたアメリカのポピュラーミュージックの影の歴史を覗くことが出来るかもしれません。

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