『ロンドンハーツ』出演者の基準は? 加地プロデューサーが番組作りの裏側を明かす

たくらむ技術 (新潮新書)
『たくらむ技術 (新潮新書)』
加地 倫三
新潮社
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 インパルス・板倉俊之が、25日放送の『ロンドンハーツ2012 売れっ子芸人45名集合 禁断の暴露&ドッキリXマス3時間半SP!!』の番組内で、27歳の一般人女性と交際中であることを明かしました。出会いは番組ロケ。照れながら彼女の好きなところを発表する板倉の姿が印象的でした。

 「子どもに見せたくない番組」の常連である同番組ですが、反面、人気番組としても長く支持を得ています。そんな『ロンドンハーツ』の演出・プロデューサーを務めているのが、加地倫三氏。時々、番組内にも登場するので、お馴染みのプロデューサーとも言えるでしょう。

 そんな加地氏が、書籍『たくらむ技術』のなかで、同番組の裏側を明かしています。例えば出演者の決め方。『ロンドンハーツ』は、VTR中心の企画もあるので、多くの出演者が必要ない時があります。

 「その場合は、おぎやはぎのように、ぐいぐい前に出ようとはしないけれど、打席に立てば高い打率を叩きだすタイプにお願いすることもあります。彼らは少人数でいる時こそ持ち味が活きる、と僕なりに分析しています。全員がきちんとしていると、それはそれで面白みがないと思えば、出川さんや狩野のような、ちょっと特殊なタイプの爆発力のある人にもお願いします。出川さんは、どこにいてもなんらかの見せ場が作れる(または作られる)人です」(加地氏)

 このように、出演者ありきで番組が構成されるのではなく、その回のテーマや、役割分担、配分なども考えた上で出演者が決まります。面白い人を10人集めるのではなく、バランスのとれた10人を集めることが重要なのです。

 「投球の組み立てを考えるのと同じです。核になる人は、ストライクゾーンに投げ込む渾身のストレート。それ以外の人は、胸元に投げ込んでのけぞらせるボール球だったり、遊び球、見せ球だったり、くさいところをつく変化球だったりするわけです」

 加地氏は、『ロンドンハーツ』だけでなく、『アメトーーク!』も担当しています。そんなアメトーークの基本フォーメーションは下記の通り。

 「まず、その回の『核』となる人。多くの場合、そのテーマについてすごく詳しい人や、そのテーマを体現しているような人が、安定感のあるトークをしてくれます。さらにその人をイジれる人。核になる人をからかったり、本筋ではないところでも笑いが取れたりできる人。ずっとテーマに沿ってキッチリ話が進んでいると、飽きられてしまうことがあるので、こういう人が必要です。」

 それ以外にも「かき回し役」もいた方がいいとのこと。「かき回し役」......、誰だか想像がつきますか?

 「とにかく大声で、その場を盛り上げたり、にぎやかにしてくれたりする人。フジモン(FUJIWARAの藤本)やザキヤマ(アンタッチャブルの山崎)のポジションと言えば、わかりやすいでしょう」

 こういった「かき回し役」以外にも、有吉のような、独自の視点で話ができるタイプがいると、ぐっと番組の幅が広がるのです。具体的な席順についても明かしています。

 「MC席の右側にひな壇がある場合、核になる人はMCに一番近い最前列左端の席です。例えば、ツッチーこと土田晃之くんやフットボールアワーの後藤くんのように『安定感』もあり、『イジれる人』を置きます。前列の右端には『かき回し役』のフジモンや劇団ひとり。2段目の左端や真ん中には、博多華丸・大吉の大吉くんや麒麟の川島くんのような安定感抜群の人に座ってもらいます。そして2段目の大外は、出川さん、狩野、アンガールズの田中くんのような『大ボケ』の人の位置です」

 一見、自由に座ってそうな席順ですが、実はプロデューサーなりの戦略があるようです。これからは、どのような基準で出演者が決まったのか、また、どんな意図があってこの席順になっているのか、プロデューサーの考えを想像しながら、番組を楽しんでみてはいかがでしょう。

 実はこういったプロデューサーの企みを見抜いている芸人は意外と多いとのこと。さすがプロの芸人です。

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