キセル優勝に芸術競技、オリンピックは珍エピソードだらけ

オリンピック全記録―ロンドン五輪が100倍楽しくなる!!
『オリンピック全記録―ロンドン五輪が100倍楽しくなる!!』
菅原 悦子
大空出版
648円(税込)
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 7月27日、いよいよロンドンオリンピックが開幕します。テレビや雑誌などで期待の日本人選手や観戦ガイドが紹介され、日本中が注目しています。とはいえ、その反面、あまり知られていないのが、オリンピックの歴史。

 「オリンピックは参加することに意義がある」

 多くの人が耳にしたことがあるこのオリンピックの理念は、ロンドンで行われた1908年の弟4回大会で生まれたもの。この大会では、陸上競技の判定をめぐり、アメリカとイギリスが対立していました。その対立は競技をボイコットするまでに。こうした状況を見かねたペンシルバニアのエチェルバート・タルボット主教が、各国選手団の前で、「五輪で重要なのは勝つことではなく、参加すること」と説教。これを当時のIOC(国際オリンピック委員会)会長であるクーベルタン男爵が、イギリス政府が主催した宴席のスピーチで引用したのです。

 また、1896年から長い歴史を持つオリンピックでは、数多くの珍エピソードも。第3回のセントルイス大会では、マラソンのフレッド・ローツ選手(アメリカ)が日射病にかかり、通りかかった一般乗用車で救助されたものの、ゴールまで8kmのあたりで、車を降りて、競技再開。なんとそのまま1位でゴールしてしまったのです。この"キセル行為"はもちろん発覚して優勝も無効となりましたが、なんとも大胆な不正でした。

 オリンピックといえば、スポーツの祭典というイメージですが、これも昔は違っていました。第5回のストックホルム大会から第14回のロンドン大会まで、スポーツ競技に加え、建築・彫刻・絵画・音楽・文学の5部門で構成された芸術競技も採用されていたのです。これは、クーベルタン男爵の希望によるもので、各作品の品評会を行い、他の競技と同じようにメダルも授与されていたのです。

 『ロンドン五輪が100倍楽しくなる!! オリンピック全記録 ハイライト&珍エピソード600連発』では、こうした驚きのエピソードから日本人選手の活躍、各大会の名場面などが満載。オリンピックで盛り上がる今、この本からウンチクを拝借すれば、話題に欠くことはないでしょう。

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