アップル・ディズニー、成功の裏側には「萌え」が隠れている?

萌えビジネスに学ぶ「顧客を熱中させる」技術
『萌えビジネスに学ぶ「顧客を熱中させる」技術』
藤原 実
中経出版
1,296円(税込)
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 毎回、独特の萌え可愛いイラストが描かれる、自衛隊徳島地方協力本部が制作する自衛官募集のポスター。今年もデザインが解禁されており、根強いファンが反応しています。いわゆるカタイ仕事とされる「自衛隊」と、やわらかい印象のある「萌え」。このコラボレーションは、一昔前では想像もできなかった組み合わせです。

 さて、ガンダム、ポケモン、ハルヒ、AKB48......。これらに共通するものは何でしょう。

 「私たちの社会は、信じられないほどの短い間に"萌え"に侵食されています」

 こう話すのは、書籍『萌えビジネスに学ぶ「顧客を熱中させる」技術』の著者・藤原実氏。上記のどれもが、いまでは、「オタクっぽい」と敬遠できないほど、ビジネスの世界で成功をおさめています。そして、これらに共通しているのが「萌え」。

 「萌え」の正体は一体なんでしょう。藤原氏は、「ユーザーが商品・サービスそのものに参加できるような仕組みの構築」といいます。つまり、ある商品のなかに、ユーザーそのものが組み込まれてしまう要素を作れているかどうか、ということなのです。

 萌えビジネスは、商品・サービスを「買う・消費する」ではなく、「参加する、楽しむ」を重視。ユーザーを巻き込み、自身がコンテンツとなっていく仕組み、そして、その状況を誰かに伝えたくなる気持ちにさせる力を、藤原氏は「ものがたり力」と言っています。

 例えば、AKB48では、総選挙をはじめ、「ユーザーが参加する仕組み」が構築されています。個別メンバーを応援する制度、握手会でメンバーごとにファンに列を作らせる方式も、「ユーザーの参加」を促す方法の一つです。

 アイドルグループのファンは、本来ならCDやDVDを購入したり、コンサートに参加して楽しみます。しかし、AKBの場合は、「彼女たちを育てる」という実感を得ることができます。とりわけ、自分の一推しのメンバーが活躍することは、大きな達成感が伴う事象です。

 「自分たちが彼女を育てているという優越感と、一緒に生きている実感を得ることができるのです」(藤原氏)

 こういった手法は、アップルやディズニー、グーグルも血眼になって追求しています。アップルは顧客に「どういう体験ができるか」という視点を伝えようとしていますし、ディズニーランドは、グッズやお土産ではなく、「ディズニーランドにいた」という体験そのものに価値を感じさせるのです。

 このものが売れない時代に、熱狂的なファンに支えられている数少ない業界。それらに共通するのが"萌え"なのです。

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