結婚を発表した川上未映子さん、最新作で「恋愛の究極」を投げかける
- 『すべて真夜中の恋人たち』
- 川上 未映子
- 講談社
- 1,728円(税込)
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芥川賞作家の川上未映子さんが、同じく同賞を受賞している阿部和重さんと結婚していたことが、今日発売の『週刊新潮』で公表されました。芥川賞作家同士の結婚は、初めてのことです。2人は2008年に知り合い、今年1月から交際をはじめました。入籍には否定的だった川上さんでしたが、阿部さんの「求婚の舞」に心が動き、結婚を決意したそうです。川上さんは現在妊娠中で、来年初夏に出産を予定しています。
阿部さんは43歳で、川上さんは今年8月に35歳を迎えました。奇しくも、川上さんが10月に発表した初の長編小説『すべて真夜中の恋人たち』の女性主人公は34歳でした。
同作の主人公・冬子は、人づき合いが苦手な34歳。人間関係に疲れてしまった彼女は、会社を辞めてフリーランスの校閲者に。もともと静かに生活を送ることを好んでいた彼女が、カルチャーセンターで58歳の男性・三束さんと出会ったことで、物語が動きだします。
「わたしは三束さんのことを思い出して息を止め、ふたりで話したことを思いだし、とてもすきだったことを思いだし、ときどき泣き、また思いだし、それから、ゆっくりと忘れていった。」
人生にちりばめられた儚いけれど、それだけあれば生きていける光を同作で表現。年上男性に出会う34歳の冬子に、川上さんが自分を重ねたのかは定かではありませんが、恋愛の究極を投げかけた渾身の長編作です。