石川遼の父「私は遼にだまされたい」

石川家の子育て
『石川家の子育て』
石川 勝美
PHP研究所
1,296円(税込)
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 今や日本を代表するプロゴルファーのひとりとなった石川遼選手。今年の4月、初めてゴルフ界の頂点である「マスターズ」の予選を突破した彼が、「マスターズに出て、勝つ!」と宣言したのは、わずか小学校4年生のときだったと父・石川勝美さんが自著『石川家の子育て』(PHP研究所)で明かしています。

 当時、勝美さんは「とんでもないことだ」と思ったそうですが、ゴルフにかける遼選手の意気込みを目の当たりにして、マスターズ優勝を2人の夢と定めました。そして実際に、その夢まであと一歩というところまで近づいています。

 そんなわが子の夢を応援し続けてきた父は、今でも遼選手が簡単にマスターズに勝てるとは思っていないと言います。勝美さんによれば、子どもが夢を目指す際に親が注意しなければならないことは、「高い目標を掲げて追い求める夢と、『宝くじを当てて億万長者になりたい』という夢とはまったく違うということ」を思い知らせることだとか。

 「両者の決定的な違いは、そこに『努力』があるかどうかです。たとえば、『街でスカウトされて、アイドルになりたい』というのは、宝くじ的な夢です。なぜならそこに努力はない。せいぜい、踊りや歌のレッスンを受けるぐらいです。でもマスターズを目指して頑張ろうとするなら、友だちと遊ぶことも、映画を観ることも、音楽を聴くことも、ときには学校の勉強すらも犠牲にして頑張らなければならない。その努力は半端ではありません」

 そのため、親が子どもの夢を応援するのは結構なことですが、そのためには人一倍の努力が欠かせず、子どもが努力できないようなら見切りをつけてあきらめさせなければならない。誰よりも身近で遼選手の努力を見続けてきた勝美さんだからこそ、マスターズ優勝のためには「もっと努力しなければ」と言い続ける必要があるのです。

 そうは言っても、遼選手の夢を信じていないわけではありません。誰よりも遼選手を信じているからこそ、遼選手自身が結果に納得できるだけの努力をして欲しいのです。

 「私は遼の夢を信じたい。というより、一緒にその夢を見て、だまされていたい。最後は『ああ、やっぱりだまされたね』という結果になっても、いいのです。夢はかなわなくても『僕がやったことは価値があるのだ』と遼が自分を肯定できれば、それで私の子育ての目標は達成したと思います」(勝美さん)。

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