ソーシャルネイティブの時代

ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人 (アスキー新書)
『ソーシャルネイティブの時代 ネットが生み出した新しい日本人 (アスキー新書)』
遠藤諭
アスキー・メディアワークス
7,684円(税込)
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 書籍『ソーシャルネイティブの時代』の著者・遠藤諭さんは同書のなかで、若者のSNS利用実態にまつわる興味深いデータを提示しています。

 それはSNSで「友だち」として登録している人数とその傾向を性別・年代別に集計したもの。データによれば、平均的な「友だち」の登録数は、ミクシィが34人、ツイッターはフォロワー数が53人、フォローされている数が51人。携帯SNSは、グリーが13人、モバゲータウンは19人。また、フェイスブック、マイスペースはともに45人。

 また、ツイッターについては男性20代の40%が「フォロワーと面識がない」と回答。逆に、「全員と面識がある」は5%にすぎませんでした。女性は、これがわずかに緩和されて「誰とも面識がない」は37%、「全員と面識がある」は9%となります。
 
 面白いことに、ミクシィについて見るとこの数字はツイッターとはちょうど逆になります。男性20代の44%が「全員と面識がある」としており、「誰とも面識がない」は6%しかないのです。これは女性も同様です。グリーとモバゲーは、また少し違った傾向を示しています。グリー、モバゲーともに20代の約40%が「誰とも面識がない」と回答。ただし、「全員と面識がある」も20%程度いました。

 よくフェイスブックとの比較で、「国産SNSは実名性がない」などといわれますが、このデータを見れば、実はお互いの面識を重視している人が少なくないことがわかります。もっとも、欧米と比べれば少ない数値ですが、これは海外ではSNS(特にフェイスブック)をビジネスの場でも積極的に活用しているのに対し、まだまだ日本ではプライベートでの利用に留まっているからと言えるのではないでしょうか。

 そういう意味では、ミクシィで「全員と面識がある」と回答した人が多く、ツイッターでは「面識がない」と回答した人の方が多かったことはなかなか示唆的です。コミュニティ重視のミクシィでは、初めからリアルを重視し、ツイッターでは現実と関係ない人々をフォローする。近頃話題の「ツイッター自爆」(ツイッターで非常識な発言をし、炎上する若者が増えていること)も、こうした意識が背景にあるのかもしれません。

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