ヨーロッパではポピュラーなパースニップを育ててみよう

撮影:福田 稔
白ニンジンの別名をもつパースニップは、食べるのは根の部分。特有の香りをもち、加熱すると濃厚な甘みが際立ちます。パースニップの特徴と栽培のポイントを、恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに教えてもらいました。

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■パースニップって、どんな野菜? おいしい食べ方は?

日本ではまだ珍しい野菜ですが、イギリスをはじめとするヨーロッパではとてもポピュラーな野菜です。形がニンジンに似ていて、とても甘いことから、「白ニンジン」「砂糖ニンジン」とも呼ばれます。セリ科特有の香りがあり、加熱するとホクホクした食感で、甘みが増すのが特徴。写真のように薄切りにしてグラタンにしたり、ポトフなどの煮込み料理やソテー、天ぷら、ごく薄切りにしてチップスなどにすると美味。まだまだ流通量が少ないので、家庭菜園で育ててこその味を、ぜひ楽しんでみましょう。


■ポイント1 土は深く耕し高畝で水はけよく

パースニップの根は成長すると約30cmになるため、土は深く耕しましょう。また、多湿を嫌うため、水はけの悪い土壌では高畝(たかうね)にします。

■ポイント2 タネにかぶせる土は薄く

パースニップのタネはニンジンと同じく、「好光性(こうこうせい)種子」といい、光がないと発芽しにくくなる性質があります。まき溝の深さは5mm~1cmと浅くし、土はタネが見え隠れするくらい薄くかぶせましょう。

■ポイント3 肥料切れに注意

収穫までにかかる期間は、120~150日。長い時間をかけて、根をじっくりと育てるために、肥料切れしないように気をつけます。2回目の間引き以後、2週間に1回ずつ定期的に追肥しましょう。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2022年2月・3月号より

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