肥料をやりすぎたらどうなる?

トウモロコシ 撮影:岡部留美
肥料は野菜の成長に欠かせない栄養素で、無機物が原材料の化学肥料と動植物由来の有機質肥料があります。双方の特徴を、明治大学黒川農場特任教授で農学博士の藤原俊六郎(ふじわら・しゅんろくろう)さんに伺いました。

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■化学肥料(無機質肥料)とは

天然の鉱物や空気中にあるチッ素など、「無機物」を原材料にした肥料。肥料にするときに化学的な手法がとられるため、「化学肥料」と呼ばれます。初めから無機養分なので成分が土の中で溶け出しやすく、効き目が速くあらわれるのが特徴です。
 

■有機物肥料とは

原材料は動物のふんや草花などの「有機物」。土の中にすむ微生物に分解されることによって、植物が吸収できる無機養分の形になります。そのぶん効き目があらわれるのはゆっくり。原材料に残る「微量要素」を含むのも特徴です。

■肥料をやりすぎると、逆に育たなくなる

元肥を入れすぎると、根が張りません。植物の根は肥料を求めて伸びるので、肥料がいつでもあれば、成長する必要がなくなるためです。
追肥もやりすぎは禁物。例えばチッ素肥料が多いと、葉や茎が伸びすぎて軟弱になったり、実のつきが悪くなったりします。
肥料をやりすぎたときは水をまいて流失させるか、トウモロコシを育てたり、背の高い雑草を生やしたりして吸収させるとよいでしょう。それらは、養分が畑に戻らないよう抜いて、畑以外の場所に捨てます(トウモロコシは食べられる)。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2022年2月・3月号より

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