乾麺をおいしくゆでるコツ

イラスト:伊藤美樹
そうめん、パスタ、うどん……。保存が利いて、ゆでれば即・メインの一品になる乾麺は、料理ビギナーの強い味方です。え、「乾麺は生麺よりおいしくない」っ
て? それは正しいゆで方ができていないからかも。料理研究家の瀬尾幸子(せお・ゆきこ)さんが、乾麺をおいしくゆでるコツをお伝えします。

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■麺は「たっぷりの湯」で泳がせる

「たっぷりの湯で袋の表示時間どおりにゆでる」
麺のゆで方は、多くのレシピでこのように書かれていますよね。この「たっぷりの湯」とは、麺が鍋の中で泳ぎまわるくらいの量のお湯のことです。麺が動かずにくっついたままだと、表面の食感がよくないゆで上がりになってしまいます。小さい鍋になみなみと湯を沸かすのではなく、口が広い鍋や深めのフライパンで麺を泳がせるのが、食感よくおいしくゆでるためのポイントですよ。吹きこぼれを防ぐためにも、口が広い鍋でゆでてください。もし吹きこぼれそうになったら、慌てずに火を消して、水をさして温度を下げてください。落ち着いたら弱火で再開すれば大丈夫。

■袋の表示時間は目安です

袋に表示されているゆで時間は、あくまで目安です。ゆで時間は、あなたの好みの堅さに合わせて調節して大丈夫ですよ。堅めが好きなら短めに、柔らかめが好きなら長めにゆでましょう。麺は温かいと緩まり、冷やすと締まるので、冷たくして食べるときは少し柔らかくゆでるのがおすすめです。迷ったときは、菜箸で麺を何本かすくってみて。半透明になっていたら火が通っています。
日本人はなぜか「パスタはアルデンテ!」と思い込んでいて、パスタは何でも堅めにゆでがちですが、料理に合わせて変えていいんですよ。私はサラダに加えるマカロニは柔らかめが好きなので、表示の2倍の時間ゆでます。地域によってうどんの柔らかさやコシが違うように、あなたにとって最適なゆで時間を探してみてください。
■『NHKきょうの料理ビギナーズ』2021年8月号より

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