酸味上手は和食上手 蒸し暑い季節には酢&かんきつ酢でさっぱりと
- きゅうりと豚バラのみぞれあえ 撮影:蛭子 真
京都の老舗料亭の3代目、村田吉弘(むらた・よしひろ)さんの連載「だしいらずでつくる和食のはなし」。6月号のテーマは「酢」です。
* * *
蒸し暑かったり、梅雨寒を感じたりする季節になりました。じめじめすると、酸味のきいたおかずでさっぱり食べたいと思うことも多くなるかと思います。
今回は、調味料のお酢だけではなく、かんきつを搾った「かんきつ酢」を使った料理もご紹介します。かんきつは、今よく出回っている夏みかんを使いました。
一品目の「きゅうりと豚バラのみぞれあえ」、もちろん米酢を使っていただいてもええんです。お米を発酵させた調味料である米酢は、ご飯との相性が抜群です。うまみもしっかりあります。
ですが、うまみはある意味「くせもの」で、口の中の味の余韻も長く残ります。暑い時季、さっぱりといただきたいときは、うまみ成分のないかんきつ酢を使ったみぞれ酢のほうが、おいしく感じるんやないかと思い、このレシピにしました。コクのある豚バラも合わせてありますし、何より夏みかんの香りが食欲をそそると思います。
もう一品の「あじの焼き南蛮」は、米酢を使っております。この南蛮酢は定番の味つけで、いろいろな南蛮づけに使える重宝する割合ですので、覚えておいて損はないと思います(笑)。うす口と濃い口の両方のしょうゆを使っているのは、色を強くつけすぎずに、塩味をやや強く感じるうす口の“塩角”を取り、濃い口のコクを加えるためです。
あじは干物を使いました。干物は生の魚よりうまみが強いので、この南蛮酢をかんきつの酢でつくると、少しぼんやりとした味になってしまうのです。
今回の2品には共通点があります。それは、豚肉と魚をカリカリにしているところです。食感というのも、料理の大切な要素のひとつ。気持ちのええ食感は、おいしさへの近道やと思います。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「だしいらずでつくる和食のはなし」2021年6月号より
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蒸し暑かったり、梅雨寒を感じたりする季節になりました。じめじめすると、酸味のきいたおかずでさっぱり食べたいと思うことも多くなるかと思います。
今回は、調味料のお酢だけではなく、かんきつを搾った「かんきつ酢」を使った料理もご紹介します。かんきつは、今よく出回っている夏みかんを使いました。
一品目の「きゅうりと豚バラのみぞれあえ」、もちろん米酢を使っていただいてもええんです。お米を発酵させた調味料である米酢は、ご飯との相性が抜群です。うまみもしっかりあります。
ですが、うまみはある意味「くせもの」で、口の中の味の余韻も長く残ります。暑い時季、さっぱりといただきたいときは、うまみ成分のないかんきつ酢を使ったみぞれ酢のほうが、おいしく感じるんやないかと思い、このレシピにしました。コクのある豚バラも合わせてありますし、何より夏みかんの香りが食欲をそそると思います。
もう一品の「あじの焼き南蛮」は、米酢を使っております。この南蛮酢は定番の味つけで、いろいろな南蛮づけに使える重宝する割合ですので、覚えておいて損はないと思います(笑)。うす口と濃い口の両方のしょうゆを使っているのは、色を強くつけすぎずに、塩味をやや強く感じるうす口の“塩角”を取り、濃い口のコクを加えるためです。
あじは干物を使いました。干物は生の魚よりうまみが強いので、この南蛮酢をかんきつの酢でつくると、少しぼんやりとした味になってしまうのです。
今回の2品には共通点があります。それは、豚肉と魚をカリカリにしているところです。食感というのも、料理の大切な要素のひとつ。気持ちのええ食感は、おいしさへの近道やと思います。
※つくり方はテキストに掲載しています。
■『NHKきょうの料理』連載「だしいらずでつくる和食のはなし」2021年6月号より
- 『NHKテキストきょうの料理 2021年 06 月号 [雑誌]』
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