暑い季節の除草作業はツライ! 雑草との上手なつきあい方
- 雑草は抜かずに刈る! 撮影:丸山 滋
暑い中での除草作業は、重労働です。しかし、雑草とのつきあい方を見直せば、畑の管理がとても楽になり、野菜にとってもよい環境を作ることができます。家庭菜園で簡単にできる方法を、元明治大学農場特任教授で有機農業研究家の佐倉朗夫(さくら・あきお)さんに教えてもらいました。
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■野菜と雑草の共生
中国の古い農書には「上農は草を見ずして草を取り、中農は草が見えてから除草す。草を見ても草を取らないのは下農とする」とあります。昔から畑の除草は農地管理の必須作業でした。しかし畑には、植物や昆虫、小動物、微生物が織りなす自然の生態系があり、近ごろはそれを尊重しようという考え方が徐々に浸透しています。そして雑草は資源であり、上手につきあい利用しようという考え方も芽生えつつあります。
例えば、雑草を抜いて裸地(らち)にすると紫外線が強く当たり、表土にすむ微生物が死んでしまいます。また雨が土に直接当たると、土の団粒(だんりゅう)構造が砕けて硬くなったり、ぬかるんだり、土や肥料分が流れ出てしまったりすることも考えられます。強風にさらされれば、表土は吹き飛ばされ、その上を人が歩くことでさらに硬くなるでしょう。だからといって、雑草を自然のままに茂らせておくと、光・水分・養分が野菜に回らず、うまく育たなくなります。しかし、雑草を上手に管理すれば生態系を崩さず、野菜にもよい環境を作ることができるのです。
■畑の雑草管理の基本
1 抜くより刈る
雑草を抜くと、土壌中の生き物のすみかが奪われ、畑の生態系が乱されます。作物の成長を妨げるヤブカラシなど、根絶したい草以外は刈りましょう。根絶したい場合、抜き取るのが大変なら地際(じぎわ)で刈れば成長点を取り除けるので、繰り返しているうちにいなくなります。
2 草の高さは抑える
残す草は、地上部分を短く刈ることで光合成量が減り、雑草の勢いは弱まります。刈る位置が低すぎると、芽吹きが促され、その後の成長が旺盛になることもあるので注意しましょう。
3 畑の外に持ち出さない
刈り取った雑草は捨てるのではなく、畝間(うねま/通路)や畝の敷き草にするなど、畑の中で利用するようにします。
※続きはテキストでお楽しみください。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2021年6・7月号より
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■野菜と雑草の共生
中国の古い農書には「上農は草を見ずして草を取り、中農は草が見えてから除草す。草を見ても草を取らないのは下農とする」とあります。昔から畑の除草は農地管理の必須作業でした。しかし畑には、植物や昆虫、小動物、微生物が織りなす自然の生態系があり、近ごろはそれを尊重しようという考え方が徐々に浸透しています。そして雑草は資源であり、上手につきあい利用しようという考え方も芽生えつつあります。
例えば、雑草を抜いて裸地(らち)にすると紫外線が強く当たり、表土にすむ微生物が死んでしまいます。また雨が土に直接当たると、土の団粒(だんりゅう)構造が砕けて硬くなったり、ぬかるんだり、土や肥料分が流れ出てしまったりすることも考えられます。強風にさらされれば、表土は吹き飛ばされ、その上を人が歩くことでさらに硬くなるでしょう。だからといって、雑草を自然のままに茂らせておくと、光・水分・養分が野菜に回らず、うまく育たなくなります。しかし、雑草を上手に管理すれば生態系を崩さず、野菜にもよい環境を作ることができるのです。
■畑の雑草管理の基本
1 抜くより刈る
雑草を抜くと、土壌中の生き物のすみかが奪われ、畑の生態系が乱されます。作物の成長を妨げるヤブカラシなど、根絶したい草以外は刈りましょう。根絶したい場合、抜き取るのが大変なら地際(じぎわ)で刈れば成長点を取り除けるので、繰り返しているうちにいなくなります。
2 草の高さは抑える
残す草は、地上部分を短く刈ることで光合成量が減り、雑草の勢いは弱まります。刈る位置が低すぎると、芽吹きが促され、その後の成長が旺盛になることもあるので注意しましょう。
3 畑の外に持ち出さない
刈り取った雑草は捨てるのではなく、畝間(うねま/通路)や畝の敷き草にするなど、畑の中で利用するようにします。
※続きはテキストでお楽しみください。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2021年6・7月号より
- 『NHK趣味の園芸やさいの時間 2021年 06 月号 [雑誌]』
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