作家・平松洋子さんの「仕事の原点」となった本

本は多くても整った空気が流れる仕事場。この部屋を借りた決め手は、窓外の緑。大家さん宅の庭なのでいつも静かで気持ちがいい。撮影:安彦幸枝
「ステイホーム!」が合言葉のようになっている昨今、以前に比べて、家で過ごす時間がぐんと増えています。本、そして読書の時間は、そんな家での時間をより豊かに過ごすために、間違いなく、欠かせないもののひとつです。家にこもる時間が長くなるなか、本のもつ力を強く感じている人も多いのではないでしょうか? 『趣味どきっ!』では、8人の読書好きに本棚を見せていただきながらお話を伺いました。本稿では、作家の平松洋子さんの大切な2冊を紹介します。

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『フランス料理の源流を訪ねて──各地方の食材と料理』


ロベール・フレソン、酒井一之監訳/同朋舎出版



『香港 旅の雑学ノート』


山口文憲/ダイヤモンド社




左はフランス各地に伝わる伝統料理を14の地方に取材し、詳細に説明した本。料理本であると同時にルポルタージュ的性格が強い一冊です。右はノンフィクション作家の山口文憲による香港見聞録。1979年の発表当時、新しい異文化ルポとして話題になりました。いずれも、20代前半の平松さんに大きな衝撃を与えたそう。
「『フランス料理〜』は、1枚ごとの写真の情報量が膨大で、ソースをすくうレードルや肉を扱うときのフォークの形など、すみずみまで目を皿のようにして読みました。食文化に対するアプローチの、教則本のような存在です。『香港〜』は、香港の街からどれだけ多くの情報を読み解くか、ものの見方の導きとなった本。どちらも仕事をしていくうえでの原点です」
■『NHK趣味どきっ!こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ』より

NHKテキストVIEW

こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ (NHK趣味どきっ!)
『こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ (NHK趣味どきっ!)』
平松 洋子,矢部 太郎,渡辺 満里奈,祖父江 慎,橋本 麻里,穗村 弘,飛田 和緒,坂本 美雨,和氣 正幸,菊池 亜希子
NHK出版
1,210円(税込)
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