ダイコンは間引かないとどうなる?

3回の間引きを経て1か所1本に。十分に肥大した収穫適期のダイコン。撮影:阪口克
ダイコンは間引かないとどうなるのでしょうか。アブラナ科の野菜は、発芽がよく成長が早いのが特徴。間引かなかった結果、こんなことになってしまいました。

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株間30cm、列間(れっかん)45cmのマルチを張り、深さ1cmのまき穴に5粒ずつタネをまきました。根の肥大に応じて3回間引くのが基本です。

■過密は根が細くなるうえ、辛くなる可能性あり

マルチを張って点まきにしたので、直径6cmのマルチの穴の中で根の肥大を競うことになりました。当然のことながら、間引きの回数が多いほど株数は少なくなり、根は太く長くなりました。
2回間引いて2本にした区画は通常の5~7割のサイズになり、間引き1回と0回の区画は太さのばらつきが大きくなりました。特に間引き0回は超過密で、発芽が1日でも遅れると生存競争に負けて太れなかったことがわかります。根はすき間を探して伸びようとするので、湾曲したり、形のよい円筒形にならなかったりしたものもありました。
過密は大きなストレスとなり、辛みが強く出る可能性があります。細くて辛いダイコンより、きちんと間引いて、品種本来の持ち味が生かされたダイコンのほうがおいしいことは間違いありません。

■間引き0回(1か所5本)/1回も間引かず完全放任

5本の株が思い思いの方向に伸び、生育の勝ち負けがついて太さはばらばら(写真上)。太いものは直径3~4cm、細いものはほとんど肥大していない(写真下)。


■間引き 1回 (1か所3本)/1回間引いたあと放任

地上に飛び出した根が、マルチを持ち上げて浮かせている(写真上)。根の大きさ、太さに大小があるものが大半だが、なかには太さがそろったものもある(写真下)。


■間引き2回(1か所2本)/2回間引いたあと放任

マルチの穴の中で根がスペースを探して伸び、胚軸が曲がっている(写真上)。間引き1回、間引き0回に比べると、太さのばらつきは小さい(写真下)。

※より詳しい実証結果はテキストをご覧ください。小カブのケースも掲載しています。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2020年8・9月号より

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