ニンジンの発芽率を高める3つの工夫

タネは水に浸しておくと発芽がよくなる。撮影:大泉省吾
ニンジンのタネは乾燥に弱く、土が乾くと発芽しないことがあります。そこで、発芽率を高めて、そろいをよくするための3つの工夫を恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんが紹介します。

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■1 タネを一晩吸水させる

未加工のタネ(裸種子)は、タネまきの前日、水につけて十分に吸水させておく。タネが湿っていてまきにいときは、軽く水けを切り、ピンセットなどでつまんでまく。一方、ペレット種子は、タネのまわりを粘土などで覆って、発芽率を高めてまきやすく加工したもの。土中で粘土が溶けて発芽する仕組みになっているので、タネまき前の吸水は厳禁。タネまき後は乾かさないように水をやる。

■2 資材で乾燥を予防する

発芽に光が必要な好光性(こうせい)種子なので、タネがわずかに見えるくらいに土をかけるのがコツ。しかし、土が薄いと乾きやすくなるので、光を通して保湿力のあるもみ殻をタネの上にかけて乾燥を防ぐ。さらに、畝(うね)の上に不織布を直接かけて(べたがけ)、二重の保湿を図る。

■3 “共育ち効果”を利用する

近くの株と協力して芽を出し、競うように成長することを“共育ち”という。タネが小さいニンジンは、単独では土を持ち上げる力が弱く、共育ちの効果が大きい野菜の一つ。通常よりも狭い0.5~1cm間隔でタネをまき、発芽がそろったところで間引く。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2020年6・7月号より

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