隣の家より早く咲かせるには? アサガオと遊ぼう
- 撮影:福田稔
夏休みの宿題にアサガオを育てる子どもだけでなく、大人も一緒にアサガオと遊んでみませんか。アサガオは簡単に育てられて、奥の深い植物。園芸研究家の小笠原 誓(おがさわら・せい)さんは「園芸はアサガオに始まりアサガオに終わる」といいます。花を咲かせるだけでなくじっくり観察してみましょう。アサガオのおもしろさは観察から始まります。
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■要領のよいクネクネ植物をあんどん仕立てに
植物は太陽の光を得るために、周囲の植物より少しでも早く大きくなろうとします。そのとき倒れないように太りながら伸長すると時間がかかるので、アサガオは太らずに茎を早く伸ばして成長する要領のよいつる性植物です。つる性にはキュウリのように巻きひげを使って登るタイプや、クレマチスのように葉柄の一部を引っ掛けて登るタイプなどがあります。アサガオはつるの先をゆっくりゆっくり旋回させ、ぶつかったものに巻きつくクネクネタイプ。つるは左巻き(上から見て反時計回り)なので、この性質を生かせば伝統的なあんどん仕立て(鉢の外周に沿って複数の支柱を立て、ワイヤーなどの輪を数段取りつけたものにつるをらせん状に巻きつける仕立て方がすっきりできます。
■今年の夏こそ開花を目撃しよう!
アサガオは何時に咲くか知っていますか? 答えは前日の日没から9〜10時間後。日没時刻が早くなる夏至以降は開花時刻も少しずつ早くなります。7月の東京なら開花は日の出後の5時ごろですが、9月下旬になるとまだ真っ暗な3時過ぎ。開花は気温にも左右され、気温が低いと早く、高いと遅くなります。とはいえ、夏休みには早起きしてアサガオが咲く瞬間を見てみませんか。夜明け前後の薄暗い中で、品種ごとに打ち合わせたようにそろって咲き始める様子は、指揮者のタクトに合わせて音を奏でるオーケストラを思わせます。早起きは三文の徳を実感できる、至福のひとときを味わいましょう。
■隣の家より早く咲かせる方法とは
アサガオは一定の時間より日が短くなると、花芽がどんどんできて咲く短日性植物。夏至を過ぎた7月中旬ごろから開花期を迎えます。この短日性を利用して、お隣より少しでも早くアサガオを咲かせてみませんか。本葉5~6枚以上になった鉢植えを夕方から朝まで箱などで覆うことを、3日間繰り返してみましょう。これは短日処理といい、日照時間を短くして人工的に花芽を形成させるワザです。夜中でも箱を開けてはいけません。
地植えの株などは、葉の1枚をアルミホイルで包んでもOK! 夕方になったら1枚の葉の表裏を完全に覆い、朝になったら外して、日中はよく日に当てることを3日繰り返します。すると、その葉で合成・分泌された花成ホルモンが体内を回って、株全体の花芽形成を誘導するというわけです。短日処理していない株との違いを比べてみませんか。
■『NHK 趣味の園芸』2020年7月号より
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■要領のよいクネクネ植物をあんどん仕立てに
植物は太陽の光を得るために、周囲の植物より少しでも早く大きくなろうとします。そのとき倒れないように太りながら伸長すると時間がかかるので、アサガオは太らずに茎を早く伸ばして成長する要領のよいつる性植物です。つる性にはキュウリのように巻きひげを使って登るタイプや、クレマチスのように葉柄の一部を引っ掛けて登るタイプなどがあります。アサガオはつるの先をゆっくりゆっくり旋回させ、ぶつかったものに巻きつくクネクネタイプ。つるは左巻き(上から見て反時計回り)なので、この性質を生かせば伝統的なあんどん仕立て(鉢の外周に沿って複数の支柱を立て、ワイヤーなどの輪を数段取りつけたものにつるをらせん状に巻きつける仕立て方がすっきりできます。
■今年の夏こそ開花を目撃しよう!
アサガオは何時に咲くか知っていますか? 答えは前日の日没から9〜10時間後。日没時刻が早くなる夏至以降は開花時刻も少しずつ早くなります。7月の東京なら開花は日の出後の5時ごろですが、9月下旬になるとまだ真っ暗な3時過ぎ。開花は気温にも左右され、気温が低いと早く、高いと遅くなります。とはいえ、夏休みには早起きしてアサガオが咲く瞬間を見てみませんか。夜明け前後の薄暗い中で、品種ごとに打ち合わせたようにそろって咲き始める様子は、指揮者のタクトに合わせて音を奏でるオーケストラを思わせます。早起きは三文の徳を実感できる、至福のひとときを味わいましょう。
■隣の家より早く咲かせる方法とは
アサガオは一定の時間より日が短くなると、花芽がどんどんできて咲く短日性植物。夏至を過ぎた7月中旬ごろから開花期を迎えます。この短日性を利用して、お隣より少しでも早くアサガオを咲かせてみませんか。本葉5~6枚以上になった鉢植えを夕方から朝まで箱などで覆うことを、3日間繰り返してみましょう。これは短日処理といい、日照時間を短くして人工的に花芽を形成させるワザです。夜中でも箱を開けてはいけません。
地植えの株などは、葉の1枚をアルミホイルで包んでもOK! 夕方になったら1枚の葉の表裏を完全に覆い、朝になったら外して、日中はよく日に当てることを3日繰り返します。すると、その葉で合成・分泌された花成ホルモンが体内を回って、株全体の花芽形成を誘導するというわけです。短日処理していない株との違いを比べてみませんか。
■『NHK 趣味の園芸』2020年7月号より
- 『NHKテキスト趣味の園芸 2020年 07 月号 [雑誌]』
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