トマトには厳しく、ナスには甘く 夏野菜の土作り

誤って全面施肥にした結果、茎に穴があく「窓あき茎」になったトマト。撮影:北村文枝
野菜は種類によって、適した土作りが異なります。それは、性質や育ち方が違うからです。主な夏野菜の性質と、適した土作りとは? 恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんに、育て方が対照的なトマトナスの土作りについて伺いました。

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■トマト

肥料と水のやりすぎはNG ビシビシ厳しく育てよう
トマトの原産地アンデス高地は、やせて乾燥した土地。水はけのよい場所を選んで育てましょう。植えつけ前の土作りでは、元肥(もとごえ)の投入量を守ることが大切。肥料過多だと、茎葉ばかりが茂って実がつかない「つるボケ」を起こしたり、葉が巻き上がったり、茎に穴があいたりします。特に、実がつく前の生育初期の肥料過多は厳禁。そのため、肥料がゆっくり効く「溝施肥(みぞせひ)」が適しています。追肥も、実がつき始めてから始めます。

■ナス

肥料も水も大好き♡ 甘やかして育てるのがコツ
インドの高温多湿な地域を原産地とするナスは、肥料も水も大好き。逆に、一度でも肥料切れや水切れを起こすと、驚くほど生育が悪くなります。特に、実がつき始めると急激に肥料を必要とするため、土作りは肥効がじわじわあらわれる溝施肥で。肥料は、トマトの1.5倍投入してもよいでしょう。追肥も定期的に行い、肥料切れを起こさないことが大切です。乾燥が続いたら、水をシャワー状にかける「散水栽培」で株がよみがえります。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2020年4・5月号より

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