必死に生きないと決めたらいろんなことが見えてきた! 韓国で話題のベストセラーエッセイ

あやうく一生懸命生きるところだった
『あやうく一生懸命生きるところだった』
ハ・ワン,岡崎 暢子
ダイヤモンド社
1,585円(税込)
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 韓国で話題のエッセイ『あやうく一生懸命生きるところだった』の著者でイラストレーターのハ・ワンさんは、会社員とイラストレーターという二足のわらじで奔走する毎日を送っていました。しかし次第に「なんのために必死にがんばっているのかわからない」という気持ちになり、40歳を目前にしてなんのプランもないまま会社を辞める決断をします。

 これまで幸せになるために全力で走り続けてきたけれど、幸せになるどころかどんどん不幸になっている気がする......。そこで彼は「今日から必死に生きないようにしよう」と決心します。果たして、この実験はうまくいくのでしょうか?

 「一生懸命生きない」を実践しはじめたワンさんは、たくさんのことが見えてきます。たとえば「やる気はすり減る」ということ。やる気は誰かに強要されて作り出すものではなく「やる気がないならないなりに、目の前の仕事をこなせばいい」「いつかはやる気を注ぎたくなる仕事に出合えるはずだし、そのときのために自分のやる気を大切にしよう」(本書より)とワンさんは言います。他人にどう見られるかを気にせず、自分のやる気は自分でコントロールしていい。日本でも「やりがい搾取」という言葉が流行っただけに、ワンさんのこの考え方に心が軽くなる人もいるでしょう。

 「何もしない一日を大切にする」というのも、ワンさんが会得したことの一つ。会社員時代は「自分のやりたいことがたくさんあるのに時間がなくてできない」と感じていたワンさんですが、いざ会社を辞めて自由な時間を手に入れると、やりたいことが見つからない。彼はこれを「自分の時間をほしがっていた理由は、何かをしたいからではなく、何もしたくなかったからではないか」と分析します。日がな一日ソファーにもたれてぼーっとしているような「何もない時間」も大切なものです。「時間は、何かをしてこそ意味があるわけではない」「時には、何もしない時間にこそ大きな意味がある」(本書より)とワンさんは記しています。

 本書から一貫して伝わってくるのは「自分の人生は自分のために使っていいんだよ」「必死に生きないことこそ幸せへの近道なのではないか」ということ。そんなメッセージが詰まった本書は、韓国で25万部を超えるベストセラーとなり、東方神起のメンバーの愛読書としても話題になりました。韓国人のみならず、日本人も読めばきっと共感することでしょう。

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