浴室・トイレは「使う前よりきれいにすべし」

撮影:本多康司
人が使ったあとの浴室やトイレがきれいにしてあったら、気持ちよく使えますよね。自分のあとの人も、同じように思うはず。浴室やトイレは、使ったついでにそうじをしておきましょう。それは「人のため」だけでなく、「自分のため」でもあります。曹洞宗八屋山普門寺副住職の吉村昇洋(よしむら・しょうよう)さんにお話を伺いました。

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■使う前よりきれいにすべし

私たちは自分を「私」だと思って生きていますが、この世に私一人しかいないとすれば、「私」という概念が生まれるでしょうか? 私が「私」と規定されるのは、他者がいるからです。ということは、私の存在の中に他者は含まれている。私は他者であり、他者は私である。このような考え方が、仏教にはあります。
浴室やトイレを使ったあと、使う前よりきれいにする。これは、他者のためのようであって、私のためでもあります。
「私」も他者も含めたすべての存在のために、「慈悲」の心を持ってそうじをしましょう。一人暮らしであっても、それは同じです。

■今回の禅のことば  「慈悲(じひ)」

「慈」は楽を与えたい心、「悲」は苦を抜き取りたい心。両方で「相手を慈しみ、あわれむ心」とする用法が一般的だが、仏教においては自他一如(じたいちにょ/自分と他者は同一である)の思想が根本にある。誰かに慈悲の手を差し伸べるのは、他者の利 益(りやく)になると同時に、自分の修行でもあるのだ。
※テキストでは、そうじのポイントを詳しく紹介しています。
■『NHKまる得マガジン 暮らしもココロもリフレッシュ! 禅式おそうじ術』より

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