個性豊かで団結力のある井上門下生

菅井竜也(すがい・たつや)七段が講師を務める「菅井流 やんちゃ振り飛車」。2019年8月号では石田流三間飛車vs.持久戦の戦型について解説しています。コラム「タッチャンの空飛ぶ振り飛車」では、師匠である井上慶太九段門下生について語っています。

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今月は井上九段門下の兄弟弟子たちを紹介しましょう。
まずは稲葉陽八段と船江恒平六段です。2人と初めて会ったのは私が小学生で、まだアマチュアだったころ。井上先生が師範を務められていた加古川将棋センターで私が将棋を指していると、そこに2人が現れたのです。すでに奨励会員として名が知られており「船江さんと稲葉さんだ!」と羨望の眼差(まなざ)しで見ていました。
一門の研究会で稲葉さんに初めて教えていただいたときのことは忘れられません。その将棋の終盤戦、会心の一手を放ったつもりがよく見ると「二歩」の反則でした。苦笑いの稲葉さんを見て「大変なことをしてしまった」と内心、頭を抱えてしまいました。そこに井上先生がやってくると「やってしまいましたな」とニヤリ。破門という言葉が頭をよぎったのでホッとしたことを覚えています。
船江さんにはかなりの局数を教わりました。私が奨励会に入ったあと研究会をセッティングしてくださりました。そこでは船江さんと同世代の奨励会員の方々も来てくださり、多くの有段者と盤を挟む機会に恵まれたのです。これは上達するうえで大きな経験でした。
稲葉さん、船江さんといると、本当の兄弟のようだと言われます。皆がプロ棋士になれたことで、さらに距離が近くなっていったように思います。3人の中で最後に船江さんが四段になったときは、自分のことのようにうれしかったです。
井上一門のプロ棋士は長らくこの3人でしたが、4月に出口若武四段が誕生しました。普段から明るく少し天然なところがあって、兄弟子とはまた違った人柄でしょうか。今後の活躍が楽しみです。
出口君はもともと強くて能力がありましたが、2年ほど前から勝負の重みをよい方向に感じ始めたように見えました。奨励会員にはまだまだ多くの井上門下生がいるので、出口君に続いてほしいなと願っています。
■『NHK将棋講座』2019年8月号より

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