13歳でプロ棋士に 福岡航太朗初段は「気持ちと志がすばらしい子」

撮影:小松士郎
今年、13歳3カ月で入段した福岡航太朗(ふくおか・こうたろう)初段。師匠の洪 清泉(ほん・せいせん)四段が福岡初段への期待を語ってくれました。

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航太朗は実力もありますが、気持ちと志がすばらしい子です。何かを成し遂げるためには狂わないといけないと思います。どんな分野もそうですが、すべてを懸けて戦う、リスクを負いながら思い切り挑戦する姿勢が大事だと思います。
そのことで航太朗と両親の教育方針に感心したことがあります。航太朗がこども棋聖戦で優勝したあと、小学4年生のときにお父様から「世界一になってほしいので韓国囲碁を知る留学に力を貸してください」と相談を受けました。費用もかかるし、幼いので簡単にお勧めできることではなかったのですが、両親と航太朗の意志はとても強かったです。
「いちばん厳しい道場に一人で送りましょう、一人で耐えられなかったら、超一流棋士は無理です」と伝えました。航太朗は言葉も通じない韓国へ一人で行きました。そして耐えて韓国語も習得したし、碁も強くなりました。韓国大会優勝後、インタビューを韓国語でしゃべる航太朗を見たときに涙が出ました。航太朗の生命力を信じます。
囲碁のスタイルもいつも最強で最善を尽くすタイプです。それが時々弱点にもなりますが、超一流棋士は常に最強で戦うもの。囲碁の歴史に名前を刻む棋士になってほしいです。
■『NHK囲碁講座』連載「師匠が見た!NEWフェイス」2019年8月号より

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