趙治勲名誉名人、令和は「楽しいことを最優先に」

紫綬褒章を受章した趙治勲名誉名人。昭和に入段、史上初のグランドスラムを達成し、平成では本因坊十連覇を成し遂げました。趙治勲名誉名人の令和はどんな時代になるのでしょうか。

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時代は「令和」に移りました。初めは正直、違和感があったけれど、もう慣れました。というか、すっかりなじんでいます。皆さんはいかがでしょうか。
元号は二文字って決まっているの? 創り出すのは相当難しかったと思います。ありきたりじゃつまらないし、派手すぎてもいけないし。令和は落ち着いていて、とてもいい!
棋士としてのぼくで言えば、来日したのが昭和37年。昭和で約30年、平成でも30年を過ごしたことになります。昭和で基礎を固め、平成の30年は幸せだったと言っていいかな。これからの令和の時代は、死んでいくだけ(笑)。楽しいことを最優先にしていくつもりです。今からもう一度、死ぬ気で勉強して井山に勝つというのは、それがいいことかどうかは分かりません。100%努力するより、まあ、60、70%くらいに抑えて、あとは楽しむ部分を多く作っていく。これを令和の生き方にしたいと、そんなふうに目標を立てています。
もしも日本に元号の制度がなかったら、西暦だけだったら…。きっと味気なかったよね。ずっと数字がつながっていくだけで、改元という歴史的な瞬間を味わえないんだから。最初の元号、大化から大体1400年。こんないいシステムを用いている日本は幸せな国です。そうそう、元号制度が今もあるのは日本だけだとか。これは自慢できるよね。
※後半はテキストでお楽しみください。
■『NHK囲碁講座』連載「趙治勲名誉名人のどうでもいい碁の話」2019年8月号より

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