懐かしいもちトウモロコシを育ててみよう

「もちもち太郎バイカラー」の白色と紫色が混ざった実は、見栄えも抜群。紫粒の発生率は35%前後で、穂長は約28cm。根張りがよく、スイート種に比べて倒伏に強い。(大和農園)
どこか懐かしい甘みともっちりした食感のもちトウモロコシ。最近、もちトウモロコシの販売を始めた大和農園の金井利之さんにお話を聞きました。
「もちトウモロコシは昔日本で栽培されていた懐かしい味。今でもアジアではよく食べられており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックで外国の方が多く訪れるのに合わせ、発売しました。独特のもちもちした食感があり、スイート種とは違う控えめな甘さは、今の時代では逆に新鮮。ちょっと変わったものを育ててみたい方に、おすすめです」。
また、トウモロコシ栽培のポイントは交雑を防ぐことだと恵泉女学園大学人間社会学部教授の藤田 智(ふじた・さとし)さんはアドバイスします。
「トウモロコシは、ほかの品種と非常に交雑しやすい野菜です。トウモロコシはタネを食べる野菜なので、交雑すると、実の質にダイレクトに反映、品種特有のおいしさが損なわれる原因に。特にもちトウモロコシやポップコーンは、自分の作物だけでなく、スイートコーンを栽培している近隣の農家や栽培家にも影響を及ぼす心配があります。それを防ぐためには、1品種に絞って育てることが大切。花粉が飛ぶ範囲(100~200m)内にスイートコーンを栽培していないか注意し、受粉を終えた雄花(おばな)はすぐに切り取りましょう。もちトウモロコシとポップコーン、またはスイートコーンを一緒に育てたい場合は、タネまき時期を2週間以上ずらして交雑を防ぎましょう」。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2019年4・5月号より

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