病害虫対策 基本の予防

帯状に一列植えることでアブラムシなどの天敵を呼び寄せてくれるソバ。撮影:丸山滋
春の菜園計画が決まったら、次に行いたいのが病害虫対策です。園芸病害虫防除技術研究家で農学博士の根本 久さんに、基本の予防法を教えてもらいました。

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■土壌酸度を中性に保つ

多くの野菜はpH6.0〜6.5の土でよく育ちます。植えつけやタネまきの前に土壌酸度を測り、適正な数値になるように苦土石灰(くどせっかい)や有機石灰を使って調整します。ただし、アブラナ科の根こぶ病などは、土壌が酸性に傾くと発生しやすくなるので、前作で発病した畑など、特に対策をする場合はpH7.0くらいにするとよいでしょう。

■しっかり土を耕し、畝立てを

菜園の土の表面に不要な凸凹があると、そこに水がたまって根こぶ病や軟腐(なんぷ)病などの病気が発生したり、センチュウなどが増える原因になります。土を耕し、水たまりができないように畝を立てましょう。

■栽培時期をずらす

病害虫が発生しやすいのは、初夏から秋雨後にかけて。栽培や収穫の最盛期がその時期にかからないよう、早生(わせ)種を選んだり、栽培や収穫の時期をずらすことで、病害虫の被害を減らせます。例えば、エダマメは早生種を選んで4月にタネをまけば、真夏の害虫被害を受けずに収穫できます。トウモロコシはマルチとトンネルをかけて2月下旬にタネまきをし、6〜7月までに収穫することで、アワノメイガなどの被害を回避。キャベツも早生種を11月中に植えつけ、5月中に収穫を済ませれば、害虫のモンシロチョウの幼虫(アオムシ)の被害にあわずにすみます。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2019年2・3月号より

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