野菜への残留は? 有機栽培でも使えるの? 農薬のココが知りたい!
読者アンケートの結果、野菜を育てている人(全有効回答数618名中608名)のうち、「病害虫に困っている」人は90.1%、「農薬を使いたくない」人は86.7%に上ることがわかりました。
「農薬を使いたくない」人のうち、49.7%が安全性への不安、41.9%の人が、使い方や種類の選び方がわからないと回答しています。そこで農薬の専門家、農薬工業会 廣岡 卓(ひろおか・たかし)さんに農薬にまつわる疑問にお答えいただきました。
* * *
■Q1 農薬にはどんな種類がありますか?
大きく3種類に分けられます。最も知られているのが、病気や害虫から野菜を守るために使われる薬剤で、虫を退治する殺虫剤や、病気を抑える殺菌剤、雑草を枯らす除草剤などが含まれます。もう1つが、トマトの着果を促進するホルモン剤のような、成長調整のために使う薬剤です。さらには、病気や害虫などから野菜を保護するために用いる天敵も、農薬とみなされます。(農薬工業会 廣岡 卓さん)
■Q2 有機栽培で使える農薬があると聞きましたが……。
有機栽培=無農薬と思われがちですが、じつは有機栽培でも使える農薬があります。有機JASの規格では有機栽培で使用できるか否かは、化学的に合成されたものかどうかで決まっています。天然物由来の除虫菊や銅、硫黄などを成分とした薬剤や天敵、微生物を用いた生物農薬、性ホルモン剤などに限定して認められています。
■Q3 野菜への残留が気になります。
登録の際は残留の試験も行われています。市販の野菜でも流通前に抜き打ち検査が行われ、少しでも基準を上回るとすべての出荷ができなくなります。また皮をつけた状態でテストしているため、皮むきや洗浄、加熱によりさらに残留量は減少。また、現在の農薬は効果を発揮したあと、太陽光や土壌微生物などにより分解・消失され、植物内に入った農薬も、酵素などで代謝・分解されます。なお土壌残留性については、毎年続けて使用しても土壌中に蓄積することがないように、180日未満で半減することが定められ、次の農作物に影響しないようになっています。
※テキストには正しい使用法や安全性に関する疑問、専門家による使用上のアドバイスなど、知りたかった農薬の「今」を一挙掲載。ぜひお役立てください。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2019年2・3月号 より
「農薬を使いたくない」人のうち、49.7%が安全性への不安、41.9%の人が、使い方や種類の選び方がわからないと回答しています。そこで農薬の専門家、農薬工業会 廣岡 卓(ひろおか・たかし)さんに農薬にまつわる疑問にお答えいただきました。
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■Q1 農薬にはどんな種類がありますか?
大きく3種類に分けられます。最も知られているのが、病気や害虫から野菜を守るために使われる薬剤で、虫を退治する殺虫剤や、病気を抑える殺菌剤、雑草を枯らす除草剤などが含まれます。もう1つが、トマトの着果を促進するホルモン剤のような、成長調整のために使う薬剤です。さらには、病気や害虫などから野菜を保護するために用いる天敵も、農薬とみなされます。(農薬工業会 廣岡 卓さん)
■Q2 有機栽培で使える農薬があると聞きましたが……。
有機栽培=無農薬と思われがちですが、じつは有機栽培でも使える農薬があります。有機JASの規格では有機栽培で使用できるか否かは、化学的に合成されたものかどうかで決まっています。天然物由来の除虫菊や銅、硫黄などを成分とした薬剤や天敵、微生物を用いた生物農薬、性ホルモン剤などに限定して認められています。
■Q3 野菜への残留が気になります。
登録の際は残留の試験も行われています。市販の野菜でも流通前に抜き打ち検査が行われ、少しでも基準を上回るとすべての出荷ができなくなります。また皮をつけた状態でテストしているため、皮むきや洗浄、加熱によりさらに残留量は減少。また、現在の農薬は効果を発揮したあと、太陽光や土壌微生物などにより分解・消失され、植物内に入った農薬も、酵素などで代謝・分解されます。なお土壌残留性については、毎年続けて使用しても土壌中に蓄積することがないように、180日未満で半減することが定められ、次の農作物に影響しないようになっています。
※テキストには正しい使用法や安全性に関する疑問、専門家による使用上のアドバイスなど、知りたかった農薬の「今」を一挙掲載。ぜひお役立てください。
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2019年2・3月号 より
- 『NHK趣味の園芸やさいの時間 2019年 02 月号 [雑誌]』
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