ベランダ栽培での植物選び

撮影:安部まゆみ 撮影協力:岩柳有起
庭がなくても、ベランダさえあればガーデニングは楽しめます。これからもっと植物を楽しみたいという方に向けて、ベランダガーデニングのポイントをご紹介する短期集中連載「はじめよう ベランダガーデニング」。ベランダだからとあきらめないで、もっともっと植物を楽しみましょう。今月は、造園家・園芸研究家の田中 哲(たなか・あきら)さんにベランダ栽培での植物選びについて教えてもらいました。

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■ベランダ向きの植物というのはあるのでしょうか

ベランダにもいろいろありますが、集合住宅などのベランダは多くの場合、コンクリートに囲まれて日光や雨が当たりにくく、室外機の熱風やコンクリートの蓄熱などの影響もあって、自然界とは異なる過酷な環境です。植物も丈夫なものを選ぶのが無難ですが、特に園芸ビギナーには一年草がおすすめです。成長も早く花を次々に咲かせ、半年程度で寿命を迎えるものが多いので、どんどん新しい草花にチャレンジすることができます。もちろん、一年草以外にもベランダで育てやすい植物はあります。好きな植物を見つけたら、まずはその植物が好む環境を調べ、ベランダで最適な場所を探してみましょう。きっとご機嫌に育ってくれるはずですよ。

■植物は、栽培環境とライフスタイルを意識して選びましょう

では、植物が好む環境とはどんな場所でしょう?
植物によって好む環境は違いますが、植物がもともと暮らしていた場所に近づけることが理想です。植物には故郷があり、故郷の環境や気象のリズムに合わせた栽培ができれば、どの植物も本来のすばらしい姿を見せてくれます。すべての条件をそろえるのは難しいですが、ちょっとした工夫で栽培上手になれるので、好む温度や湿度、日照や風通しを重視して置き場を決めましょう。また、植物に合わせた水管理を行うことで生育がよくなります。植物によって水やりの頻度や量も異なるので、無理なく栽培するには、ライフスタイルに合わせて植物を選ぶことも大切です。
※テキストには、ベランダで育てやすい植物ガイドを掲載しています。次回はベランダならではの夏越し対策をご紹介。お見逃しなく!
■『NHK趣味の園芸』2018年5月号より

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