スミレ、それぞれの魅力–繊細な日本種と丈夫な外国種

日本種の一つ「シレトコスミレ」。北海道・知床半島の山地で岩場などに自生する。白色で中心部が淡い黄色になる。平地では夏越しが難しい。草丈5〜7cm。撮影:伊藤善規
『趣味の園芸』3月号の巻頭特集は、「春の山野草入門」。山や野に咲く花、山野草はある意味「園芸の原点」です。野趣あふれる原種から多彩な色や姿の変異までたくさんの楽しみがあります。園芸研究家の久山 敦(くやま・あつし)さんが、山野草初心者にオススメするのはスミレ。日本種と外国種それぞれの特徴を教えてもらいました。

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■日本人になじみ深い花

スミレは古くから日本人が親しんできた春の山野草の一つです。世界に約400種の原種がありますが、そのうち約80種は日本のスミレ。道ばたでもよく見かけられるのでたくましいイメージがありますが、鉢植えで育てると意外にも短命。また、自分でタネを飛ばしたり、アリがタネを運んだりするので、思いがけない場所に咲くこともしばしば。そんな繊細で移り気なところも、人々を夢中にさせる魅力の一つかもしれません。

■山野草初心者にオススメ

近年は外国種のなかで、ニオイスミレやビオラ・リビニアナなどの丈夫で比較的寿命が長く、定着率のよいものが日本に紹介され、人気上昇中です。扱いやすく、野趣ある姿を気軽に楽しめるので、山野草入門種として初心者にもおすすめです。
これらの外国種は地植えでよくふえ、群れ咲く姿が楽しめます。後述の用土のポイントを参考に栽培エリアの土壌改良をするとよいでしょう。
■『NHK趣味の園芸』2018年3月号より

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