渡辺明竜王と近藤誠也五段の同門対決

左/渡辺 明竜王、右/近藤誠也五段 撮影:河井邦彦
第67回 NHK杯戦 2回戦 第13局は、渡辺明(わたなべ・あきら)竜王と近藤誠也(こんどう・せいや)五段の対局だった。小暮克洋さんの観戦記から、序盤の展開を紹介する。



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■強さの信頼

藤井聡太四段が15連勝を記録したころだったろうか。連勝記録がどこまで続くと思うか渡辺に尋ねると、19戦目の近藤戦が一つのヤマになるのでは、との見通しだった。さらにひと言、「そこを通過するようだと、いよいよ彼は本物でしょう」とも。
5月25日に行われたその一戦は藤井四段が勝ち、連勝が29にまで伸びたのは周知のとおりだ。対局前のインタビューで近藤は「渡辺竜王は大局観に優れ、よくなってからの決め方がすばらしい。強敵の兄弟子に思い切ってぶつかりたい」と語った。


■くしき因縁

藤井四段と近藤は、デビューに関しても因縁がある。四段昇段の日付は同じ10月1日で近藤が1年早いのだが、その後の公式戦初対局(近藤は棋王戦、藤井は竜王戦)がどちらも12月24日。しかも、対戦相手がともに加藤一二三九段なのだ。近藤は56歳差、藤井は62歳差の後手番の将棋を制し、初勝利を上げた。

本局の戦型は角換わり。最近は4八金・2九飛型(後手なら6二金・8一飛型)が大流行で、5八金・5二金の対抗形は珍しい。先手は4筋の位を取って▲4六角(3図)と設置した。


■タイミング

両者の対戦成績は、渡辺の1勝0敗。昨年10月に王将リーグの初戦で当たり、相矢倉の後手番からうまく戦機をつかんだ渡辺が、大激戦の末に押し切った。
飛び道具の使い方が問われる角換わり腰掛け銀では、仕掛けの糸口をつかむタイミングが重要になる。そのうえで、どう間合いを測って攻めを継続するか。
持ち時間を使い切り、勇躍▲2五桂が意を決した一手。後手が△2二銀のカベ銀に甘んじるなら、▲8八玉〜▲3五歩で攻め筋を探る腹だ。近藤は形よく△4二銀(4図)とかわした。

※投了までの記譜と観戦記はテキストに掲載しています。
※肩書はテキスト掲載当時のものです。
■『NHK将棋講座』2018年1月号より

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