土の水はけ&水もちを改善するには?
よい土の条件として、必ずあげられるのが水はけと水もちのよさ。なぜ重要なのか、どうすれば改善できるのか、東京農業大学名誉教授の後藤逸男さんに聞きました。
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■植物にとって大切な水はけのよさ
植物にとって、水は不可欠の存在です。種類によって程度の差こそあれ、土が乾いた状態が続けば植物は枯死(こし)してしまいます。しかし、過湿状態が続くのもよくありません。植物の根は呼吸しているため、水につかった状態が続けば酸欠状態になって根が傷み、最悪の場合は枯死してしまうこともあります。そのため、水はけがよいことが重要なのです。
水はけがよいかどうかは、雨が降ったあとの畑の状態から判断できます。雨の翌日になっても水たまりが多く残っている場合や、翌々日になってもクワに土がべったりとついて、畑を耕せないようなら、水はけが悪いと考えられます。
水はけの改善法は、原因がどこにあるかによって変わってくるので、作土(野菜が根を張る土)のチェックから始めましょう。
作土に粘土が多く含まれていて水はけが悪い場合は、水はけをよくする土壌改良を行います。作土自体の水はけはよくても、下層に問題がある場合もあります。下層が硬く締まっているなら、亀裂を入れて水を逃します。地下の浅い位置に地下水があるなら、高畝(たかうね)にする、畑の周囲に溝を掘って、水を低いほうに流すといった対策を講じます。
なお、畑の周囲に溝を掘る方法は、作土の水はけが悪い場合や、下層が硬く締まっている場合にも有効です。
■水はけのよすぎる土は手がかかる
水はけのよすぎる土(=水もちの悪い土)は、必要に応じて水やりができるのであれば、植物にとっては問題ありません。とはいえ、菜園のそばに水場があるとはかぎらず、土を観察しながら頻繁に水やりするのも大変です。そうしたことから、しばらく雨が降らなくても適度な水を保持できる水もちのよい土が、よい土といえるのです。
ただし、水もちの悪さが問題になり、土壌改善が必要となるのは、実際には作土が砂を多く含む場合のみです。
■改善できない場合は?
水はけや水もちをよくする改善策がとれない場合には、状況に合った野菜を育てるという方法もあります。サトイモやエダマメなら、水はけの悪い上でも育てられます。水もちの悪い土で、水のコントロールなしで育てやすいのは、スイカ、カボチャ、サツマイモ、ラッカセイなどです。
(具体的な改善方法は『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年12月号をご覧ください。)
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年12月号より
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■植物にとって大切な水はけのよさ
植物にとって、水は不可欠の存在です。種類によって程度の差こそあれ、土が乾いた状態が続けば植物は枯死(こし)してしまいます。しかし、過湿状態が続くのもよくありません。植物の根は呼吸しているため、水につかった状態が続けば酸欠状態になって根が傷み、最悪の場合は枯死してしまうこともあります。そのため、水はけがよいことが重要なのです。
水はけがよいかどうかは、雨が降ったあとの畑の状態から判断できます。雨の翌日になっても水たまりが多く残っている場合や、翌々日になってもクワに土がべったりとついて、畑を耕せないようなら、水はけが悪いと考えられます。
水はけの改善法は、原因がどこにあるかによって変わってくるので、作土(野菜が根を張る土)のチェックから始めましょう。
作土に粘土が多く含まれていて水はけが悪い場合は、水はけをよくする土壌改良を行います。作土自体の水はけはよくても、下層に問題がある場合もあります。下層が硬く締まっているなら、亀裂を入れて水を逃します。地下の浅い位置に地下水があるなら、高畝(たかうね)にする、畑の周囲に溝を掘って、水を低いほうに流すといった対策を講じます。
なお、畑の周囲に溝を掘る方法は、作土の水はけが悪い場合や、下層が硬く締まっている場合にも有効です。
■水はけのよすぎる土は手がかかる
水はけのよすぎる土(=水もちの悪い土)は、必要に応じて水やりができるのであれば、植物にとっては問題ありません。とはいえ、菜園のそばに水場があるとはかぎらず、土を観察しながら頻繁に水やりするのも大変です。そうしたことから、しばらく雨が降らなくても適度な水を保持できる水もちのよい土が、よい土といえるのです。
ただし、水もちの悪さが問題になり、土壌改善が必要となるのは、実際には作土が砂を多く含む場合のみです。
■改善できない場合は?
水はけや水もちをよくする改善策がとれない場合には、状況に合った野菜を育てるという方法もあります。サトイモやエダマメなら、水はけの悪い上でも育てられます。水もちの悪い土で、水のコントロールなしで育てやすいのは、スイカ、カボチャ、サツマイモ、ラッカセイなどです。
(具体的な改善方法は『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年12月号をご覧ください。)
■『NHK趣味の園芸 やさいの時間』2017年12月号より