親との関係に悩む人、必読! 「親捨てワーク」を実践して自由な人生を手に入れよう

親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ
『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』
三凛 さとし
KADOKAWA
1,540円(税込)
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 突然ですが、みなさんは自分の親との関係はうまくいっていますか? 書籍『親子の法則 人生の悩みが消える「親捨て」のススメ』の著者であるライフコーチの三凛さとし氏は、2021年に20歳以上60歳未満の男女計1210人に親との関係についてインターネット調査をおこないました。その中で、「自分の親を『毒親』だったと感じることがありますか?」という問いに対して、「よくある」「たまにある」と答えた人の割合は男性61.8%、女性65.9%にのぼったそうです。この調査だけで断定することはできませんが、親との関係性に悩んでいる人が実に多いことがうかがえる結果ではないでしょうか。

  「人生の9割は『親との関係性』で決まる」と言う三凛氏。大人になって悩みや生きづらさを抱える人は、心の中に「親ブロック」がある人が多いとのこと。「親ブロック」とは、親の発した言葉や態度から親の価値観や先入観を感じ取ってしまい、それに合わせて自分を制限するようになること。親に認められている実感がないので、自己肯定感が育ちにくく、いろいろなことに主体性が持てなくなり、将来への夢を思い描きにくくなるのだそうです。

 逆に言えば、この「親ブロック」を取り除けば、親の影響から開放され、人生の重要なことを自分の自由にできるようになっていくと考えられるのではないでしょうか。三凛氏の提唱する「親捨て」とは、親に対する偏った見方をニュートラルに戻し、「親ブロック」から解き放たれること。同書には、そのために実践できる「親捨てワーク」が紹介されています。

 三凛氏が作成した「親捨てワーク」は、アメリカ出身の人間行動学者ジョン・ディマティーニが考案した「ディマティーニ・メソッド」や、その他の心理セラピーをベースにしたもの。親本人に働きかけるのではなく、自身の心の中に変化を起こすものなので、「親本人と対峙する必要がない」「一人で完結する」というのが大きなメリットです。

 ワークのステップは、「ネガティブ感情の源を明らかにする」「自分も同じことをしていたと自覚する」「親への『感謝の手紙』を書く」など全部で8つ。紙に書くか、スマホやパソコンに入力するか、いずれかの方法で実践します。同書にはステップごとに詳しいやり方が説明されているので、自己啓発系のワークが初めての人にも取り組みやすいかと思います。

 「親捨て」が完了し、「親ブロック」が外れた先には、お金、時間、場所、人間関係、健康との関わりを自分で自由に選ぶことができる「人生の五大自由」が待っていると三凛氏は記します。「変わりたい」という気持ちさえあれば、人は何歳からでも自由になれるし、人生を有意義なものにできるはずです。親から受けた言葉や思考に今もとらわれているという人に、ぜひ読んでみてほしい一冊です。

[文・鷺ノ宮やよい]

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