「クラスでいちばん頭のいい子の授業ノート」がコンセプト! 高度な内容をポップに学べる"世界史超入門"

アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史
『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史』
ワークマンパブリッシング,千葉 敏生
ダイヤモンド社
2,420円(税込)
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 みなさんは学生のころ、世界史の授業に対して苦手意識を持っていませんでしたか? いろいろな国が絡んでややこしい、カタカナの名前が覚えにくい、暗記量が多いなどなど......。

 そんな方におすすめしたいのが、『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの世界史』です。同書のコンセプトは、「クラスでいちばん頭のいい子が取った授業のノート」。ページを開くと、罫線の入ったノート風デザインの紙面に、手書きに似た書体の文字が並んでいます。ポップな図やイラストも多く、全編オールカラーです。

 教科書や参考書って、文字がつらつらと並んでいるのを目にするだけで放り出したくなるものですが、そうした拒否感がまったく起こらない......! まさに授業内容をまとめるのが上手なクラスメイトのノートを見せてもらっているような親しみやすさがあります。

 人類の誕生から現代のインターネット時代までをバッチリ網羅。黄色の文字は新出用語、緑の蛍光マーカーは言葉の定義、青色は大事な人名、地名、日付、用語といった形で整理されていて、頭に入りやすい工夫も施されています。

 文章は簡潔ながら、読み手の興味を惹く書き方です。たとえば、フランス革命の分野を見てみると、フランス国内での不満の高まりについて、このように書かれています。

「第三身分の人々は、貴族に与えられた特権に怒った。第一身分も第二身分も、タイユと呼ばれるフランスの土地税を支払う義務がなかったのに、いちばん貧しい人々だけが税金を支払っていたからだ」

「人々が食べ物に困っているときに、ルイ16世と妻のマリ=アントワネットは、パーティーに明け暮れていたというから、あきれたものだ!」(同書より)

 気軽に読める文章なので書かれていることがすっと頭に入ってきませんか? 特に子どもの学習において、苦手意識を持たずに取り組めるのは極めて大事なことです。同書はその入門書としてうってつけと言えそうです。

 もちろん、大人の学び直しにも最適。わかりやすい内容ながらも500ページを超える濃密さで、知的好奇心を刺激してくれるでしょう。もうすぐ訪れるゴールデンウィーク。どう過ごそうかと考えている方は、同書を読んでみてはいかがでしょうか。グローバルな視野で世界史の全体像を見直してみるひとときは、たいへん有意義なものになるはずです。

[文・鷺ノ宮やよい]

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