日本史の偉人たちがAIで復活!? 「50万円給付金」や「リモート国会」など最強内閣が未曾有の危機に立ち向かう...!

ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら
『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』
眞邊明人
サンマーク出版
1,650円(税込)
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 これまで日本の歴史を変えてきた数々の偉人たち。彼らの伝記などを読んで、「〇〇が自分の上司だったらなあ」「〇〇がもし今の時代に生きていたらなあ」なんて考えたことはないでしょうか?

 そんな想像を新感覚のエンターテインメント小説に仕上げたのが『ビジネス小説 もしも徳川家康が総理大臣になったら』です。

 時は2020年。世界的に猛威をふるう新型コロナウイルスにより、日本では総理官邸でクラスターが発生。あろうことか、総理大臣が感染し、死亡してしまいます。国民の政治への不信感が高まるなか、政府は秘密裏に進めていたAIと最新ホログラム技術で歴史上の偉人たちを復活させる計画を実行。こうして徳川家康率いる最強内閣が誕生します。彼らは予測不能な事態を収束させ、ふたたび政府の信頼を取り戻すことができるのか......!?

 物語のあらすじは上記のとおりです。歴史好きな人であればワクワクして身を乗り出してしまうかもしれません。

 265年間も太平の時代が続く優れた組織を作った人物として総理大臣に選ばれたのは徳川家康です。彼を筆頭に、補佐役の官房長官に坂本龍馬、財務大臣に豊臣秀吉、経済産業大臣に織田信長、外務大臣に足利義満、法務大臣に北条政子、厚生労働大臣に徳川綱吉と、そうそうたる顔ぶれが並びます。日本史オールスターが勢ぞろいです。各人物の性質や功績に合わせた役職があてられていて、組織図を見るだけでも期待が高まります。

 この最強内閣が迅速な意思決定のもと最初におこなったのが、1カ月間の「東京ロックダウン」です。家康は国民の外出禁止を徹底するべく警察庁長官に大岡忠助を任命。歓楽街には「新選組」を配置して、違法者や違法店を次々と検挙していきます。

 さらに、財務大臣の豊臣秀吉は全国民に対して「50万円給付金」案をぶち上げます。たった10日間で国民すべてに一律50万円を支給するなんて、現実的に可能なのでしょうか。
豊臣秀吉といえば、これまで高松城の水攻めや中国大返しなど数々の難局を桁外れのスケールで乗り切ってきた人物。「秀吉の最大の強みはその構想力と計画性と実行力。現代の政治家などが思いもよらないことをやってのけるであろう」(本書より)との一節には大きな説得力があります。秀吉は給付金政策の指揮官に石田三成を任命し、驚くべきスピードでこの大仕事を成し遂げたのでした。

 リモート国会に令和版楽市楽座、リモート万博と、次々に大胆な政策を展開していく最強内閣。国民からは熱狂的な支持が集まります。しかしその裏で、この偉人復活プロジェクトに"バグ"があったことが発覚し、事態は想定外の方向に......。

 ビジネス小説と銘打ってはいるものの、ミステリー、政治、SF、そしてほのかなラブロマンス(!)と、さまざまな要素が絡み合っている本書。奇想天外な設定でありながら、「こんな社会もありえるかもしれない」という現実味もあり、ぐいぐいと作品の世界に引き込まれます。ぜひみなさんも、徳川内閣のもとに暮らす国民のひとりになったつもりで物語を楽しんでみてください。

[文・鷺ノ宮やよい]

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