「『幸せになりたい』とか言うやつは不幸発見器」 Twitterで大人気アラサーゲイ「カマたく」が説く人生論

頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ
『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』
カマたく
KADOKAWA
1,430円(税込)
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 Twitterで話題の「カマたく」という人物をご存じでしょうか。フォロワー105万人を超える、新宿・歌舞伎町のバー「CRAZE」で働くアラサーゲイです。

 ゲイ風俗での「ウリ専」経験のハプニングなどを明かした抱腹絶倒の動画を皮切りに、日常のあるあるネタや世の中への疑問をぶつける動画などを発信しており、彼の独自の語り口は人々の心を揺さぶります。

 本書『頑張らなくても意外と死なないからざっくり生きてこ』では、そんなカマたくさんが、自身の人生観を交えながら、人々が抱える仕事や恋愛、人生の悩みに答えています。

 例えば、「幸せになりたい、でもなれない」という悩み。これに対してカマたくさんは「『幸せになりたい』とか言うやつは不幸発見器」と一蹴し「幸せ像が狭すぎる」と指摘。一般的な幸せに自分を当てはめようとして当てはまらずに苦しんでいる、とのこと。

 幸せかどうかは「よそはよそ、うちはうち」であり、「自分が幸せと思えるかどうか」だけが基準。そのうえで、幸せ像を広げるには、幸せのハードルを下げることだと言います。

 カマたくさんは、「レベル10の幸せが手に入らないならすでにあるレベル5の幸せを見る。それでも不幸と思うなら下を見てみるのも生きるスキルよ」とアドバイス。

 また、社会問題のひとつである「孤独死」についても、独自の視点でカマたくさんは「目指せ孤独死!」と目標を掲げます。一体なぜ、負のイメージを抱きがちな「孤独死」をポジティブに捉えているのでしょうか。

 カマたくさんは「みんな孤独死の何が嫌なの?」と疑問を投げかけたうえで、「私、今死んでも全然満足なのよ。何も思い残すことはない。本当に毎日やりきってれば、どんな死に方だろうがいつ死のうが満足なんじゃないかな」と言います。

 孤独死を楽しめるメンタルが重要であり、どんな死に方をしても「しゃあなし!」と思える生き方が重要だと、カマたくさんは説きます。

 もちろん「孤独死」という問題は、それだけで解決する単純なものではありませんが、カマたくさんの言葉は、凝り固まったものの見方・考え方をほぐし、心を軽くする力があります。

 不思議と光が差して生きる希望が湧いてくる本書は一読の価値あり。恋愛、仕事、お金などへのアドバイスも満載です。みなさんも「カマたくワールド」を体験してみてはいかがでしょうか。人生をよりよく生きるヒントが見つかるはずです。

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