【速報】 「本屋大賞2015」は上橋菜穂子さんの『鹿の王』に決定!!

鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐
『鹿の王 (上) ‐‐生き残った者‐‐』
上橋 菜穂子
KADOKAWA/角川書店
1,728円(税込)
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 本日4月7日、東京・明治記念館で、全国の書店員が選ぶ「本屋大賞2015」の発表会が開催され、作家・上橋菜穂子(うえはし なほこ)さんの『鹿の王 (上)生き残った者 (下)還って行く者』(KADOKAWA刊)が大賞に輝きました。

授賞式で上橋さんは、「『鹿の王』は、児童文学の棚に置くか、ファンタジーの棚に置くか迷う『書店員さん泣かせ』の作品。そんな作品を、作り手からの架け橋である書店員さんたちが面白いと投票してくださったのがうれしい」とコメント。

 本作は、架空の帝国・東乎瑠(ツオル)を舞台にした壮大な異世界ファンタジー。フィクションでありながら、西洋医学と東洋医学の対立や治療観の相違などを、まるで医療小説のようにリアリスティックに描き、先月、3月26日には、日本医療小説大賞を受賞しています。

 本作の主人公・ヴァンは、帝国支配に徹底抗戦した戦士団の生き残り。敗戦後、奴隷の身分に落とされ、岩塩鉱で強制労働に従事しています。あるとき、岩塩鉱で謎の病が蔓延し、人々が死に絶える中、奇跡的に生き残った幼児・ユナを連れて、ヴァンは岩塩鉱から逃亡。一方、もうひとりの主人公である帝国の医術師ホッサルは、治療法を探し、病の解明に当たるのですが......。

 1962年生まれの上橋さんは、オーストラリアの先住民アボリジニの研究など、作家のほかに文化人類学者としての顔も持ち、現職は川村学園女子大学特任教授。1989年に『精霊の木』でデビュー。『精霊の守り人』に始まる<守り人>シリーズや、『獣の奏者』などの作品は、子供から大人まで幅広い読者の心を捉え、児童文学と一般書の垣根を超えて大ヒットとなりました。人気作<守り人>シリーズは2007年にアニメ化もされたほか、2016年には、綾瀬はるかさん主演でNHKドラマ化も決定し、ますます注目されています。

 2014年には、国際アンデルセン賞の作家賞を受賞した上橋さん。「児童文学のノーベル賞」とも言われる同賞の受賞は、日本人作家としては、1994年に受賞のまど・みちおさん以来、2人目。受賞後の第一作となった『鹿の王』は2014年9月25日に発売してから3週間で累計20万部、4ヶ月で累計25万部を突破し、破竹の快進撃が続いています。

 本屋大賞は、出版業界活性化のために、全国の書店員が、年に1度「一番売りたい本」を投票で選出するもので、第12回目となる今回は、「2013年12月1日〜2014年11月30日の間に刊行された日本の小説」が対象。一次投票には全国461店から580人、二次投票には286書店から342人もの投票があったそうです。

 受賞作は、第1回大賞受賞作の『博士の愛した数式』小川洋子さんに始まり、直近では、第10回『海賊とよばれた男』百田尚樹さん、第11回『村上海賊の娘』和田竜さんなど、その年の話題をさらった作品ばかりです。

「本屋大賞2015」ノミネート10作品の順位は以下の通り。

■「本屋大賞2015」順位
1位『鹿の王』上橋 菜穂子/KADOKAWA/角川書店
2位『サラバ!』西 加奈子/小学館
3位『ハケンアニメ!』辻村 深月/マガジンハウス
4位『本屋さんのダイアナ』柚木 麻子/新潮社
5位『土漠の花』月村 了衛/幻冬舎
6位『怒り』吉田 修一/中央公論新社
7位『満願』米澤 穂信/新潮社
8位『キャプテンサンダーボルト』阿部 和重,伊坂 幸太郎/文藝春秋
9位『アイネクライネナハトムジーク』伊坂 幸太郎/幻冬舎
10位『億男』川村 元気/マガジンハウス


■本屋大賞公式サイト
http://www.hontai.or.jp/

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