秋元康氏が「面白く価値のある男」と思う人物とは
- 『趣味力 (生活人新書)』
- 秋元 康
- NHK出版
- 713円(税込)
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AKB48の成功で知られる秋元康氏。敏腕プロデューサーのイメージが強いですが、実は放送作家や作詞家の顔をもっています。美空ひばりの名曲『川の流れのように』や、藤谷美和子の『愛が生まれた日』など、様々なヒット作を世に送り出していますが、このことを知らない若者も多いのではないでしょうか。
多方面で成功をおさめている秋元氏は、仕事柄多くの人に会うそうで、その経験のなかから、「どういう男が面白く、価値があるのか」、これに対して明確な答えをもっているそうです。
それは、「こだわりのある男」。ある程度の年齢になると男性の人生観・価値観は整ってきます。世の中を理解するのと反比例して、カドがとれていくのです。しかし、秋元氏は、「大人の男だったら、自分はこれに絶対にこだわるといったものを持っている人の方が、僕はかっこいいと思っている」と、書籍『趣味力』のなかで語っています。まるい男よりも、凸凹のある男の方が魅力的なのです。
その人のこだわり部分を判断しやすいのが、「趣味」だと秋元氏はいいます。「多趣味」はいけません。ゴルフや釣り、パチンコなど様々な趣味を持って、「多趣味なんだ」という人に、秋元氏は関心を示さないのです。多趣味の人からは、その人なりのこだわりが見えてこないからです。
「そもそも趣味とは何かと考えてみると、ちょっとおおげさにいえば、その人の人生観や価値観をあらわすものである。趣味という言葉には、ホビーとしても趣味だけでなく、『物事の味わいを感じとる能力』という意味合いもある。着るものとか、食べ物の趣味とか、車の趣味とか、それらについて『あの人は趣味がいいね』という。要するにその人の趣味を通して、美意識から判断力から選択能力までが見えてくる」(秋元氏)
趣味を知ることで、その人の本質を知ることができるといったところでしょうか。誰がなんと言おうとこれを着る、食べる、乗るといったこだわりを持っている方が、人生観・価値観が確立した大人の男と言えるのです。
そんな秋元氏は、趣味として「陶芸」を楽しんでいるようです。「趣味は仕事です」と言い続けてきた秋元氏ですが、陶芸でプロになれると本気で思っているそうです。信じる力もまた、魅力的な男の条件なのかもしれません。