連載
杉山すぴ豊の、アメキャラ映画パラダイス

第20回 蟻男に注目せよ! 『アベンジャーズ』にアントマンあり!

2015年夏に公開予定の、映画『アントマン』オフィシャルロゴ <br>© 2013 Marvel
2015年夏に公開予定の、映画『アントマン』オフィシャルロゴ 
© 2013 Marvel

僕が、「BOOKSTAND映画部!」でご一緒させていただいている天野ミチヒロさん。天野さんの連載コラム「怪獣酋長天野ミチヒロの幻の映画を観た!怪獣怪人大集合」は、本当に毎月楽しみにしているコラムなのですが、今回、僕がリクエストした、おぞましい虫系ホラー映画をとりあげてくださいました!
天野さん、本当にありがとうございます! 僕も、天野さんの友情に応えるべく(笑)、今回、虫つながりの、キャラクターをとりあげます。"蟻男"です(笑)

アントマン......文字どおり蟻男! でも、アイアンマンやキャプテン・アメリカ等と並ぶ、れっきとしたスーパーヒーローであり、実はアメコミ原作では『アベンジャーズ』のメンバーなのです! このアントマン、2015年夏には超大作映画化が決定! 今日は、このブレイク必至のキャラを、先取りでご紹介いたします!

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エドガー・ライト監督が自身のTwitterにUPした撮影風景写真

スパイダーマンのように、蟻にかまれたからアントマン、というわけではなく(笑)、蟻のように身体を縮小できるからアントマンなのです。アントマンの正体は、科学者ヘンリー・ピム。ピムは、優秀なバイオ化学者、素粒子を使って体のサイズを変える装置"ピム パーティクルズ"で、蟻のサイズまで体を縮小することができます。もともとは、SFホラーコミックを集めた『Tales to Astonish』という雑誌があり、そこで発表された『The Man in the Ant Hill』(1962)という短編コミックがベースになっています。これはヒーローものというより、縮んだ化学者が蟻や蜂におっかけまわされるという内容で、50年代のSF映画『縮みゆく人間』や巨大昆虫怪獣モノのようなお話でした。

のちにこの主人公が、ヒーローっぽいコスチュームを着て、アントマンとして再デビューするわけです。能力としては、もちろん身体のサイズを自由に変えて、相手をかく乱します。また縮小していても、通常サイズ時の人間の筋力・パワーは維持されているという設定なので、小さいのに力持ちなわけですね。さらにそして特殊なヘルメットで蟻とコミュニケーションすることもできるのです。

また逆に、体のサイズを巨大化でき巨人になることもあります。巨人時はいつも3mから30mぐらいまで巨大化。このときはジャイアントマンとよばれます! ANT-MANからGIANT-MANという英語のしゃれです<笑>
さらに、このアントマンには、女性のパートナーがいます。
ジャネット・ヴァン・ダイン。彼女は、宇宙怪物に殺された父親の敵をうつために、ハンクから縮小能力を伝授され、アントマンをパートナーに宇宙怪物をやっつけます。以後、虫のような羽のついた飛行スーツと体内電気を貯めて一撃をくらわす"バイオスティング"装備のコスチュームに身を固めワスプ(蜂のこと)とよばれるようになります。そう蟻男と蜂女のカップル!

このアントマンとワスプは、1963年にスタートしたアベンジャーズの最初のメンバーです。邪神ロキに操られたハルクを抑えるべく、アイアンマン、ソー、アントマン、ワスプが集結したのが、アベンジャーズ誕生のきっかけであり、そもそもアベンジャーズという名前は、「そうね、このチームに、なんかキラキラ・ネームがほしいわね。例えばアベンジャーズなんてどう?」とワスプが提唱して決まったのですから。
というわけで、アントマンとワスプは、アベンジャーズを語る上でも、重要なキャラクターであります。

なので2013年の映画「アベンジャーズ」に、このアントマンとワスプが登場しなかったことを残念がったファンは多いのですが、ご安心ください!
あのエドガー・ライト監督で映画化されます!
公開は、2015年7月31日全米公開予定!
2015年5月1日には、映画『アベンジャーズ』の続編『アベンジャーズ:エイジ オブ ウルトロン』が公開されるので、この映画で何らかの伏線があって、『アントマン』の映画につながるのでは、と期待されています。

2012年のサンディエゴ・コミコンで、エドガー・ライト監督自らがプレゼンする形で、『アントマン』のテスト撮影映像が公開されました。
僕も、その場にいたのですが、宇宙服×仮面ライダーのような格好をしたアントマンが、身体のサイズを瞬時に変えながら警備員を翻弄し=例えば、拳銃の銃身の上を走ったり等して、アントマンならではの技で相手を倒す、しゃれたアクション・シーンに仕上がっていました。

身体のサイズを自由に変えられる、という"わかりやすい"超能力を持ったヒーローだけに、多くの人にきっと受け入れられ、愛されると思います。
世界注目の蟻人間アントマンにご期待ください!

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杉山すぴ豊

アメキャラ系ライターの肩書きで、アメコミ・ヒーロー映画やSF、モンスター映画についての伝道活動を、雑誌、TV、WEB等で展開。 映画「アメイジング・スパイダーマン」「アベンジャーズ」の劇場パンフレットにも寄稿しています。映画「サラリーマンNEO劇場版(笑)」にCMクリエーター役でなぜか出演。 AOL等でもコラム展開中。
また人気と評判の(笑)ブログはこちら http://supi.wablog.com/

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