第21回 この組織に注目せよ! ヒドラ党!
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悪の秘密結社というのは、ヒーロー物において、とっても重要な設定です。サイボーグ009におけるブラックゴースト団、仮面ライダーにおけるショッカー、ガッチャマンにおけるギャラクター、海外物でも007におけるスペクター、G.I.ジョーにおけるコブラ軍団というのが存在します。
さて、アメコミ・ヒーロー物の中で、最も有名な悪の秘密結社と言えばヒドラ(英語の発音はハイドラ)党ではないでしょうか? 『アイアンマン』『アベンジャーズ』のマーベル・コミックの世界に登場する、悪の組織です。ヒドラとは、ギリシア神話に出てくる多頭竜で、首をきられても再生します。レイ・ハリーハウゼンの名作『アルゴ探検隊の大冒険』のクライマックスに登場する八岐大蛇みたいな怪物です。また、現実には、この怪物の名を持つ、クラゲみたいな生物がいて、これまた毒針と驚異の再生能力を持っています。ヒドラ党は"やられても何度も再生する、恐怖の存在"という意味で、この名前を使っているのでしょう。コミックだと、ドクロに蛸のような触手のマークをつけています。
2011年の映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』で、キャプテン・アメリカが戦うのが、このヒドラ党でした。実はキャプテン・アメリカは、原作コミックでは、第二次世界大戦中はナチスと戦っていたのですが、映画版では、ナチスよりさらに凶悪なヒドラ党が暗躍していて、第二次世界大戦にかこつけて、世界を征服しようとしている、というお話でした。まあファミリー向けも意識した映画なので、あまりナチスとか、生々しい現実の歴史を出したくなかったのでしょうね。
原作コミックでは、バロン・フォン・ストライカーという人物によって第二次世界大戦後に組織され、以後、キャプテン・アメリカやシールドのニック・フューリーと戦っています。なお、ヒドラ党には、ここにはマダム・ヒドラという女性幹部がいて、初代マダム・ヒドラは、バイパーという名で、ウルヴァリンの日本でのエピソードにも絡んできます。なので、映画『ウルヴァリン:SAMURAI』に、設定を変えて、バイパーという女の悪役が出てくるのでは、このへんを意識していたのかもしれませんね。
さて、このヒドラ党ですが、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に続いて、来年公開の『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にも登場。また2015年公開の『アベンジャーズ』続編=『アベンジャーズ:エイジ オブ ウルトロン』に、原作コミックでのヒドラ党の創設者であるバロン・フォン・ストライカーが登場との噂もあります。この先の、マーベル・ヒーロー映画を楽しむ上で、ヒドラ党の名前を覚えておいて損はないのです。
なお来年公開の期待作『アメイジング・スパイダーマン2』も、オズコープという会社が悪の秘密結社的な存在で、スパイダーマンは、そこの怪人と戦っていく。しかもスパイダーマン自体、オズコープによって生まれたようなものだから、仮面ライダー的展開ですね!